講談社選書メチエ<br> 昭和の思想

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講談社選書メチエ
昭和の思想

  • 著者名:植村和秀【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 講談社(2015/07発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062584845

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内容説明

昭和の思想を包括的に俯瞰する画期的論考。「戦前=戦後」だけでなく、昭和はつねに「2つの貌」を持っていた。皇国史観から安保・学生運動まで、相反する気分が対立しつつ同居する昭和の奇妙な精神風土の本質を、丸山眞男・平泉澄・西田幾多郎・蓑田胸喜らの思想を元に解読する。(講談社選書メチエ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

25
昭和時代の思想史を大きく四人(丸山眞男、平泉澄、西田幾多郎、蓑田胸喜)に大別して四人の視点から昭和(戦前)を見てみようとする一冊。あの戦争をそれぞれがどのように動いたのかがよくわかった。個人的には西田幾多郎がよかったかな。2011/05/22

桜子

14
「理の軸」に、平泉澄と丸山眞男。「気の軸」に、西田幾太郎と蓑田胸喜が据えられ、終始読みやすい文章です。「昭和思想は政治思想」と提唱するならば、経歴や代表的な出来事だけを並べただけでは物足りない。日本思想史は本来、右翼と左翼という言葉だけでは分類できない複雑さがある。第4章の阿南惟幾だけは面白かった。京大卒の著者は京都学派の西田幾太郎の思想を好む印象を受けましたが、1番気になる存在なのは蓑田胸喜なのだろうとも受け取れます。

無重力蜜柑

11
面白い。面白いが……色々と惜しい本。戦前〜戦後昭和の「国家が全面化する時代の政治思想」を、四人の思想家を例に挙げて論じる筆者は、理屈でカチッと体系立てる「理」の思想家と勢いでグワっと行く「気」の思想家という分類を提唱する。筆者曰く、この「理」と「気」はデカルト座標空間のようなものというよりは互いに交わらない(=話の通じない)ものらしい。そしてこの二つを右の理と左の理、ポジティブな気とネガティブな気に分け、それぞれ平泉澄、丸山眞男、西田幾多郎、蓑田胸喜に代表させる。この構想の時点でめちゃくちゃ面白い。2024/12/10

Happy Like a Honeybee

8
昭和初期の知識人入門書。佐藤優氏が主張するように、常に講座派的な思考が主流だろうか。阿南惟幾と陸軍の項が印象的。日本国憲法で思想・良心の自由が保障されたのは、戦前に蓑田胸喜のような言論迫害者がいた裏返しか。2016/08/16

gtn

6
日本教信者、蓑田胸喜は、戦時中、自分の原理に合わない美濃部達吉や西田幾多郎、北一輝、大川周明等言論人を、左右関係なく、叩いて叩いて叩きまくった。思想というより、絶対的なものを侵食させまいという信仰心だろう。しかし、国家の言論統制が強化されるにつれ、役割を終えたように攻撃を止め、ついに自殺する。建設的な思想を創造しなかった成れの果てである。2019/01/22

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