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内容説明
クラシック音楽の最高峰、交響曲のすべてがわかる! おすすめディスクガイド付き。交響曲には「構造」と「論理」がある。「交響曲の父」ハイドンからモーツァルト、ベートーヴェンをへてブラームス、ブルックナー、マーラーへ。前代の課題を引きつぎつつ交響曲というジャンルに自らの個性を加えてゆく各作曲家の創意と工夫の跡を丹念にたどりながら名曲の高峰を経巡る、もう一歩深い鑑賞への誘い。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Fondsaule
18
★★★★★ 入門とあるけれど、全然入門ではないと思う。 譜例も多く示されて、より深く知ることができた。2023/10/07
BATTARIA
7
読書メーターを使ってから、これが記念すべき666冊目(爆)。知っている交響曲の話なら「ああ、あそこか」となるけど、知らない曲だと楽譜も細かい説明も斜め読みになってしまう。リストやワーグナーが標題音楽を掲げて、絶対音楽のブラームスといがみ合ったのは、「交響曲なんてベートーベンで終わり」と思っていたとは驚いた。交響曲がベートーベンで終わりじゃないことを示したシューベルトの「グレート」に感化されたシューマンと、そうではないメンデルスゾーンというのも驚いた。しかし“ベートーヴェン”というカナ表記は無意味でお粗末。2023/08/29
えすてい
7
交響曲の歴史と構成(主題→展開→再現)を見ていくが、交響曲の黄金時代は実はそれほど長いものではなく、ドイツ系ではハイドン→モーツァルト→ベートーヴェンと流れていき古典派が第九で完成されてしまう。そこからフランスではベルリオーズが幻想交響曲を書くも、ドイツ系ではブラームスを待たねばならない。同時代にはブルックナーもいる。そしてマーラー。20世紀はショスタコーヴィチ。しかし、20世紀はショスタコーヴィチらを除くと交響曲がヒットしない。クラシック音楽の「現代音楽」と交響曲の構成が合わなくなったためだ。2019/09/22
ロッキーのパパ
7
交響曲は、もちろん、知識なしに聞いても楽しめる。しかし、より深く理解するためには、構成を知る必要がある。そうすると、作曲者の意図なども分かるようになり、感性だけではなく、理性でも楽しめるということか。ただ、僕自身は取り上げられた作品には聞いたことがないものが多く、そのレベルにはいたっていない。もっと曲を聞き込んでから再読すると、本書だけではなく、曲自体もより楽しめるようになると思う。2011/04/06
GOKU
6
入門本にありがちな浅く広くではなく、要点を的確に解説してある。「モンテヴェルディの「オルフェオ」がマントヴァの宮廷に鳴り響いた時、音楽史の新しいページが開かれた」と読むとこの曲を聴き、「ハイドンは「悲しみ」の第三楽章を気に入っていて葬儀の際には演奏して欲しいと言った」と読むとこれも聴き、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトから現代までの主要交響曲を、これらも全てYouTubeで聴きながら読んだ。(聴かずにはいられなくなる解説。) それぞれの曲の独自性革新性そして交響曲の発展の流れも分かりやすい。2013/10/04