- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
東京・バリ・カリフォルニア……観光と移住が織りなす「越境の民族誌」。グローバル化が進行する中で、国境を越えて移動する人びとは世界全体で年間10億人に達しようとしている。東京の下町で、熱帯雨林の島で、中国の世界遺産で、それぞれに繰り広げられる文化景観はすべてリゾーム状につながり、地球はもはや境界のない大きな空間になっているのだ。本書では、ボーダレス時代の観光/移住のありようを描き出し、「一つの世界にともに生きる」とはどういうことか、人類学の新たな試みとして論じていく。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月世界旅行したい
6
観光と移住について。2015/05/01
よきし
4
観光人類学というタイトルや、越境の民族誌と言い切る帯に違和感。民族誌と言えるほどではない。移動の人類学と銘打ったほうが内容に沿っているように思われる。現代日本が抱える問題までも含めて示唆的な部分もあるので、内容と表題のズレが余計に気になる。2010/10/20
SQT
3
移動(観光、退職後のロングステイ、出稼ぎ)時代において人類学はどのように「位置取り」をするか。われわれは、ひとつの世界に生きているからこそ啀み合わずに…そこに人類学がアプローチしていくことの重要性。面白かった点は、宗主国-植民地/男-女を国際結婚から描き、また、特に移動が多い女性こそが国民国家が力を失った時代を代表するというところと、資本を、資源で「ある」→資源に「なる」と動的に描いているところ。2018/01/19
HedgeHogs
2
・Scapes ・Trans international ・Special Interest Tour ・Desire ・Global hypergamy ・JFC ・Cultural resources ・Whoopie ・Human Security ・リゾーム ・観光と移住 ・暮らすように旅する2014/09/04
★★★★★
1
観光旅行をはじめ移民やロングステイといった人々の移動を伴う活動を越境というキーワードの下に捉え、ドゥルーズの「リゾーム」の概念を援用しながらグローバル化の進展する世界における文化のあり方を分析した本。観光人類学の第一人者だけあって視点はなかなか鋭い。2009/02/07