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内容説明
「旧仏教」を読み直し鎌倉新仏教のルーツを探る。鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。偉大な祖師たちの思想が生まれる背景には、先行する有名無名の宗教者たちによる、さまざまな試みがあった。山林修行、戒律の問題、経典への信仰など「実践」をキーワードに、これまで見過ごされてきた、新仏教を準備したさまざまな運動に光を当てる。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maqiso
3
大乗仏教は在家信者の実践を重視したため、天台宗では位官制の外部に遁世した僧も活躍した。密教の修法や経典の書写・崇拝を盛んに行い貴族にも受け入れられた。法然は夢想に後押しされて専修念仏思想を深め、夢の解釈は親鸞や弟子とも共有されていた。夢をきっかけにした実践と教学の結合は、鎌倉時代後期には懐疑されるようになっていった。経典を残すためでなく崇拝するために書写するのはかなり変容してる気がする。2021/10/23
Go Extreme
2
中世ー法然・親鸞・日蓮・一遍←仏教教団の阻止=ピーク 中世仏教のピークに至る歴史的系譜を歩む 優婆塞仏教の系譜: 山林修行と優婆塞仏教 浄行のきた道 優婆塞仏教の広がり 成熟と分裂−寺院社会の出世と出世間: 鳥羽院政期・実践行 聖と授戒ー実践行の展開 聖と王権 実践と修学をつなぐモノ−経典信仰の諸相: 実践・儀礼・モノ 仏舎利と経典 信心の地平−夢想と観想: 慈円の夢ー法華別帖 信心のゆくえ: 熊谷直実の出家と往生 法然と直実を媒介するもの 三極構造=実践・教学・信心→二極構造=ビリーフ・プラクティス2024/09/16
竜王五代の人
2
どうしても残るのは文書なので、理論の発達に目が行きそうなところを、実際の身体を使った活動に目を配った鎌倉時代までの仏教発展史、なのだが私にはよく分からなかった。夢のお告げが重視され、個人に留まらず集団でイメージが共有されたことや、印刷が導入されて活用された中国に対し、写経が呪術的に扱われた日本といったトピックは興味深い。2024/05/05