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内容説明
アガンベン、ネグリ、カッチャーリ……生政治、帝国、ゾーエー/ビオス……いまなぜイタリアなのか? ジョルジョ・アガンベン、ウンベルト・エーコ、アントニオ・ネグリ、マッシモ・カッチャーリ……。いまや世界の現代思想のシーンは、イタリアの思想家たちを抜きにしては語れない。ジル・ドゥルーズやジャック・デリダらフランスの巨星たちがあいついでこの世を去ったあと、なぜ、イタリア思想の重要性に注目が集まるのか。現代思想の最尖端で、いま何が問題なのか、そしてどのような可能性があるのか。哲学、美学、政治学、社会学、宗教学、女性学など幅広い分野での彼らの刺激的な仕事を、明快な筆致で紹介する。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
13
ネグリとアガンベン、政治と美学の二極が交錯しつつ発展した伊国の思想。カッチャーリ、エーコ等の馴染みある名前だけでなくヴィルノ、ヴァッティモ、ペルニオーラ、エスポジトといったマニアックな思想家が総揃い。明晰な論理に基いて進められる考察とは違う、日本とも似て反復やコピーだらけの混交と雑種の文化の中で育った議論を次々と紹介。作者の死ではなく作者のイメージが文と密接に関わることを意識し、読書もイメージに染められた運動だと考える論者の多いイタリア思想は、ばらまかれたワード群が引き起こす連想に思考を委ねる傾向が強め。2017/06/08
Ecriture
4
「イタリアの思想家」って括りだとやっぱ風土ってのは関係していると思わせる。しかしイタリア人はフランスにコンプレックスでもあるんだろうか。デリダやドゥルーズをスター気取りの解体屋さん扱いしてるけど、彼らをポピュリズムに迎合させたのは君らなんだよね。「脱構築」とか「ノマド」とか意味が分かってない人が語ってもしょうがないのに。デリダが「脱構築」という言葉を使わなくなっていった経緯や、『記号と事件』で「俺をスターにしないでくれ」って訴えたドゥルーズの気持ちも汲んでやってほしい。2009/02/21
Sebastianus
1
容易な文章で、入門としてはいいと思います。日本ではまだ翻訳されていない―注目を集めていない文献や著者などの論や立場の概要を垣間見ることができて知的好奇心が刺激された。2012/05/28
Mealla0v0
0
イタリア現代思想の見取り図を提供してくれる本書は、日本の読者が断片的にしか読んだことのないイタリアの思想を、ある程度系譜や体系だったものにしてくれる。伝統的な美学の思想は、我々が安易に想像するところと反して、政治を論じている。この点は、文学と政治という、やや古式ゆかしきのテーマと通じているかもしれない。▼それはともかく、フランスやドイツ、英米系ではない、ヨーロッパの最新の思想が、それら主流の傍流であったがゆえの差異が際立ってアクチュアルなものと見えてくるようだ。これからの思想を考える上での参照考となろう。2016/10/15
生きることが苦手なフレンズ
0
「弱い思考」、倫理と分離していない美学というのは興味深いです。2012/09/18