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内容説明
「世俗化」=「近代化」、「イスラム」=「反動」では、ない。「共和国トルコの父」ケマル・アタテュルクによって否定されたはずのイスラムは、なぜその後も長く生き残ったのか。幾重にも複雑に絡まった糸を解きほぐし、イスラム世界における近代化の問題を「脱イスラム」のフロントランナー、トルコ共和国の歩みから読み解く。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
11
(図書館)オスマン トルコ時代における西洋化、ケマル アタチュルクが進めた世俗化と脱イスラム化、その後の揺り返しの経緯、内容。エルドアン大統領出現の背景という意識で読むと物凄く面白いし、良く分かる。2018/02/10
てれまこし
6
一般に、オスマン期の宗教知識人は近代化の受容に楽観的であったらしい。それは、イスラムは容易に西洋の科学技術を包摂しうるという自信があったため。これが共和国以後になると、宗教知識人は反西洋、反科学技術の立場をとるようになる。結果として、イスラムは「狂信」「反動」であるという政府の立場を受け入れてしまう形になる。宗教知識人をそこまで追いやったのは「政教分離」に対する反動ではない。共和国政府による政教分離の否定、政治による宗教の管理に対する反発である。だから民主化が信仰の自由と結びつく。日本とそれほど遠くない。2019/07/10
MUNEKAZ
3
「世俗主義」とイスラムの相克から見たトルコ近現代史。国父ケマル・アタチュルクの急進的な世俗化政策を、イスラム教と現在に至るまでいかに折り合いをつけてきたかがよくわかる。2016年7月のクーデター未遂で注目された「ギュレン派」について知れたのもよかった。なんとも捉えどころのない道徳運動みたいな存在で、そら強権的な政治家からは目の敵にされるよねってところか。2016/09/12
可兒
3
世界中で自明とされている文明発達論をヨーロッパ半島の特例と喝破し、イスラムを前提とする近代思想について詳しく説明されている。現代の「イスラム派」に至る道まで網羅されていてありがたい2013/04/20
メルセ・ひすい
3
ムスタファ・ケマル・アタテュルク(Mustafa Kemal Atatürk, 1881年3月12日 - 1938年11月10日)は、オスマン帝国の将軍、トルコ共和国の元帥、初代大統領 国際空港名 廟…トルコ国民のアイドル 「共和国トルコの父」によって否定されたはずのイスラムは、なぜその後も長く生き残ったのか。それがイスラム教の本質 コーランを日に五回唱えることで一生を全うできる教え。文字など分らなくてもOK.艱難辛苦を乗り越えられる。イスラム世界における近代化の問題を、トルコ共和国の歩みから読み解く。 2013/03/25