内容説明
死者=仏(ほとけ)の引き起こす恐るべき怪奇、戦慄の実話怪談!
死んだ人のことを「仏さん」と言う。言葉を変えるなら、魂、霊体と言おうか。肉体を失う代わりに、彼らは時に信じられないパワーを宿す。それは生きている者に吉にも凶にも働く。「超」怖い話のガチ怖担当してシリーズを牽引する久田樹生が数多くの寺のご住職、僧侶から聞き集めた仏に纏わる「超」怖い話!
●久田樹生
1972年九州生まれ。超‐1/2006年大会に1位入賞し、冬の「超」怖い話執筆メンバーに参入する。2007年『「超」怖い話 怪歴』(竹書房文庫刊)で単著デビュー、以後長編実話を含む数多くの戦慄作品を送り続けている。圧倒的な取材力と体験者の心に寄り添う姿勢から生み出される恐怖は他の追随を許さない凄みがある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
217
後書きによれば題名の意味は仏様に群がる怪しい人々の意味だそうで、また前書きでは「おまじない」「呪術」を行った結果、精神を病んでしまい社会からリタイアしたオカルトマニアの女性の話が紹介されておりまして、こういうのを読むと本当に人間は清く正しく生きなくちゃ駄目だなあと真剣に思いますよね。著者がある御住職から伺った話の数々は興味深く身に染みて人生勉強にもなりましたね。『古刹にて』ある古民家を買った方から相談を持ち掛けられた話。障子に影が差すのだが原因不明で外に出ると便所があり小用を足す場所が便器でなく石だった。2021/05/01
HANA
53
実話怪談集。仏に関する怪談が中心だが、仏教を専攻した身としては首をかしげざるを得ない。でも現代日本人の仏に対するイメージってこういうものなのかなあ。『怪神』もそうだったけど、前半は因果応報を中心とした話が多い。やっぱ神仏を主題とした話って必然的にそうなるのかなあ。そして特筆すべきは後半の「古刹にて」。こういう土俗を中心とした話は大好きなのですよ。これだけで一冊分読みたいほど気に入った。あと本書の中に寺と場の関係について触れているとこがあるけど、正直お寺ってそこまで特別な場所じゃないと思いますです。2015/08/29
みくろ
40
"仏"に関する怪談集。多くは神仏に対し罰当たりな行為をしてしまったが故に変事が起きてしまったという類の話。私は無神論者ですが、だからといって他人事ではないですし、自分の行いには(特に知らない地に行った時は)気を付けようと思いました。今作で一番怖いのはやはり「元凶」か。仏壇は怪談話によく出てくるものだが、ここまで大きくて如何わしいのは初めて読みました。恐ろしい…。「古刹にて」はあるご住職から聞いた寺仏に関するいろいろなお話。個人的には"山"に関する話が苦手なので「禁忌」には鳥肌。人を呪わば穴二つ…ですね。2015/12/05
ラルル
32
仏様にまつわる怪談をまとめた一冊。私的には「仏様は優しい、神様怖い」というイメージを持っていますが仏様も時に怖い(笑) 相性に関してはとても納得させらせます。神社に行くのが好きですがやはり行ってもピンと来ない所も多数。かと思えば「なんたる爽快!」と感じる所も有り、それらを目安に歩いています。昨今のパワースポットブームで無差別に巡る方々に前から疑問を抱いていたのも自分がこの「相性」を基準に巡るからだろうなと納得。見えない世界は時に怖く時に面白く、そして常に生活の中にあるなと感じます2015/07/23
ネムコ
24
お坊様や仏像、神木などの仏教関係や丑の刻参りなどの呪いなどを集めた実話怪談集。作者の方に、何もなければ良いが…。2017/01/20