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内容説明
いまITビジネスの世界では、若い有能な経営者が続々と誕生しているが、世界的な企業になったソニーもホンダも、現在のITビジネス同様、創業当時は熱気盛んなベンチャーであったにちがいない。パナソニックのブランドで世界の電気業界のトップの一つに数え上げられる松下電器も、その例に漏れない。本書は、その松下電器の創業者である松下幸之助の生い立ちから、死を迎える直前まで情熱を傾けたPHP運動を始めとする警世家としての晩年までを、著者独自の解釈を織りまぜつつ描いた、いわば『渡部版松下幸之助一代記』である。本書で興味深いのは、いま多くの企業が「儲け一辺倒」に偏りがちなのに対して、馘首自由の時代にあって、不況時にもクビを切らなかったというような、日本的経営の原点がその創業当初から見られる点である。日本的経営は終わったといわれ、新しい経営が模索される中で、今一度、経営とは何かを考えさせられる興味深い一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ponyo
5
松下幸之助はその思想的な本は何冊か読んだことがあるけれど、これは伝記として松下幸之助の生涯と松下電器の発展する様子を語ったもの。大胆さと慎重さを持ち合わせ、さらに人間味溢れる松下幸之助が日本を代表する人物であることを、改めて感じる。「商売というのは景気が良い時はもちろん、不景気の時でも進展の基礎を固めるものである」という思想が今の状況に重なり、出来ることだけを考えるのではなく、今の状況を進展につなげるにはどうしたら良いかを考えなくてはと思わされた。どなたかの推薦本だったと思うが、学びの多い一冊だった。2020/04/22
naoto
0
松下幸之助の伝記を渡部昇一が書く、なんという贅沢さ。400ページ超の大作も、すらすら読めました。2009/10/14