内容説明
はじめに和歌があった
7世紀前半から8世紀半ばまでの歌、およそ4500首が収められた日本最古の歌集『万葉集』。額田王、柿本人麻呂、山上憶良、大伴家持……。大きく4期に分けられる作風の変化を代表的歌人の歌で辿りながら、日本人の心の原点を探る。恋の歌を厳選した特別章「相聞歌30首選」を収載!
[内容]
はじめに 混沌・おのがじし・気分
第1章 言霊の宿る歌
第2章 プロフェッショナルの登場
第3章 個性の開花
第4章 独りを見つめる
万葉集の時代 年表
ブックス特別章 相聞歌三十首選
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
37
万葉集の歌が詠まれた130年間に時代がどう展開したか、歌の状況がどのように変化していったのかをわりやすく解説してあり、万葉集の入門書として最適だった。同じ万葉集でも、第一期と第四期では歌の雰囲気が随分と違うのにも納得。東歌防人歌にこんなにも方言が含まれていたとは知らなかった。読みにくいと思っていたのはそれも理由の一つかな。1200年以上も読み継がれてきた和歌をもっともっと味わってみたいと思わせる一冊だった。2018/05/15
かふ
14
2014年の4月のテキストの再編集版。読んでいがほとんど忘れていた(5年前だから)。三つのキーワド「混沌」「おのがじし」「気分」と『万葉集』を4期に分けて、「祝詞」としての、「宴会芸」としての、個性の開花、孤独の文学としての『万葉集』。『万葉集』の歌が初期は祝詞として「言霊」を現実化させるための激だった。それが繰り返し歌われていたという。初期の歌は伝承の歌で実際に作者とされる人が歌ったとは確証できなくて、それが口承から文字で変遷されるのが「大化の改新」後の天皇による中央集権的な律令体制が出来た頃だという。2019/05/15
Haruka Fukuhara
5
面白かった。気軽に読めてレベルが低いわけでも勝手な解釈が書いてある訳でもないのは有難い。2017/02/27
虎哲
3
「万の時代の先まで」と願われたであろう(契沖説)萬葉集。令和に至る実に1200年以上も読み継がれるとは。「ますらをぶり」と評価されていると知って分かった気になっていたが、「歌が作られた実質的な時代は」「百三十年間」に及び、その間にも歌風の変化が存在するとのコンセプトは、盲点だっただけに目から鱗だった。第三期の個の時代到来、第四期家持の伝統重視など日本文学史全体の流れとも符合しているのではと思った。ブックス特別章の相聞歌三十選を読んで改めて恋愛・セックス・結婚したいと思った。(特に柿本人麻呂歌集所収の二首)2021/01/04
りっとう ゆき
3
時代背景、生活、主要な歌人についてなど分かりやすく説明があって、歌も対訳があり、当時の人々の気持ちがすうっと入ってきた。すごく昔の人たちと通じ合えたことにぐっときたな。あと、昔の「言霊」というのはこういうことなんだなあと。 2020/07/09
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