文春文庫<br> 鍵のない夢を見る

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文春文庫
鍵のない夢を見る

  • 著者名:辻村深月
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 文藝春秋(2015/07発売)
  • 紀伊國屋グループ書店員5,500人が選んだ文春文庫心の一冊フェア ポイント40倍(~11/30)
  • ポイント 200pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167903985

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内容説明

【ご購入者様限定・著者メッセージ画像プレゼント!(配布期間2025/11/1~11/30)】
望むことは、罪ですか? 誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行──。普通の町に生きるありふれた人々に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇。現代の地方の閉塞感を背景に、五人の女がささやかな夢を叶える鍵を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す。著者の巧みな筆が光る傑作。第147回直木賞受賞作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

630
辻村さんのはそれなりに数は読んでいたつもりだったが、出世作のこちらがまだだった。全編に通じるテーマは、地方の閉塞感が生んでしまった犯罪がらみの短編集。どの女性主人公も追い詰められておりひたすらもの哀しい。『君本家の誘拐』、これは頼る者のいない中でワンオペ育児したことある女性には身のつまされる作品。「あんなに欲しかった赤ちゃんなのに、どうして…」を感じなかったヒトはいないだろう。短編集だったのが意外だったが、辻村さんビギナーにも読みやすい仕上がりだと思う。2023/03/25

さてさて

588
軽いものから重いものまで罪を犯そうとする人達のそこに至るまでの過程を切り取った五つの短編が収録されたこの作品。こうやって人は堕ちていく…と感じる〈芹葉大学の夢と殺人〉、のんびりとした地方都市の中で本当の恐怖はどこにあるのだろうと感じる〈石蕗南地区の放火〉、そして、犯罪でもなんでもなく、子育てに悩むお母さん達の日常の一コマを目の錯覚的に描く〈君本家の誘拐〉等、その内容は多彩です。ふり幅の広い女目線の数々、プライドの高さとその陰に蠢くドロドロ、ねっとりとした執念と怨念の世界。人の怖さをそこに感じた作品でした。2022/04/17

nanako

512
女性の心の内面に触れた作品。この作中の女性たちの心境、わかるようなわからないような・・・同情?共感?難しいです。2017/08/27

せ~や

446
短編集。どの短編もそれぞれに味がある。僕は男性なので、女性の世界をほんの少し、覗いてみた感じで面白かったし、出てくる男性に対しても、わかるな~って思ったり。女性側から見たら、こんな風に思われてるのかなと考えてしまう(笑)あとがきの、辻村さんと林さんの対談も、本作のもっと理解させてくれる感じ。どこにでもいそうな人たちが丁寧に描かれていて、共感出来る事がたくさんで、小説なのに近くにある感じの日常。女性が楽しめる事はもちろん、男性の方も楽しめる一冊でした。☆42018/10/01

yoshida

394
辻村深月さんの短編5編。リアルな質感とじっとりとした空気感に、読んでいて心がヒリヒリする。辻村深月さんは初期の作品にあった幻想や推理から、リアリズム溢れる作品へと到達した。どの短編も読ませる。哀しいくらい残念な男女が登場する。盗癖、叶わぬ夢を見続け現実を直視出来ない男、DVをする男。あたかも我々の身近にいて、呼吸をするように描かれる。子を持つ女性ならば、最終章の良枝への共感性は大きいのではなかろうか。読後感も多様である。あまりの人間臭さと感情の動きに魅了され、私は頁を捲る手を止められなかった。非常な力作。2017/12/17

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