ブリューゲルの「子供の遊戯」

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ブリューゲルの「子供の遊戯」

  • 著者名:森洋子
  • 価格 ¥8,250(本体¥7,500)
  • 未來社(2015/07発売)
  • ポイント 75pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784624710521

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内容説明

「人間は泡沫なり」というウァニタス(虚無)思想の寓意として、16~19世紀の西欧美術や文学に登場するシャボン玉を渉猟し、生の価値観を探る学際的な歴史研究。図版230点収録。茗水クラブ学術奨励賞受賞。

目次

はじめに
第Ⅰ章 エラスムス『格言集』のhomo bulla
第Ⅱ章 十六世紀フランス、フランドル,ドイツ美術のシャボン玉
第Ⅲ章 十六世紀の寓意図像集と寓意版画のシャボン玉
第Ⅳ章 十七世紀の静物画のシャボン玉
第Ⅴ章 十七世紀の寓意図像集のシャボン玉
第Ⅵ章 十七世紀の絵画化されたプットーとシャボン玉
第Ⅶ章 十七世紀のプットーから日常生活の少年へ
第Ⅷ章 十七世紀の風俗化されたシャボン玉遊び
第Ⅸ章 十七世紀の肖像画・宗教画・タイル画にみられるシャボン玉遊び
第Ⅹ章 十八世紀のシャボン玉表現
第XI章 十九世紀のシャボン玉表現
第XII章 ヨーロッパ文学におけるシャボン玉の寓意
第XIII章 風船のアレゴリー
補遺1 日本のシャボン玉の寓意表現
補遺2 石鹸小史
結び
シャボン玉探し――あとがきに代えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

346
巻頭に1枚の絵が掲げられている。原寸は118×161cm、ウィーン美術史美術館蔵の『子どもの遊戯』だ。製作は1560年。一目でピーテル・ブリューゲルのものであることがわかる絵である。色彩も構図もまがうかたなきブリューゲル。ただ、他の絵と少しだけ違うのは、この絵の中に描かれている250人にも及ぶ人物像のすべてが遊ぶ子どもたちであること。遊戯の種類はなんと91種類に及ぶらしい。らしいというのは、そんなものを克明に数え上げるのは特殊な美術史家くらいであろうから。本書は、まことに頭の下がる労作である。⇒2023/02/02

シルク

14
ブリューゲルって画家の描いた、「子供の遊戯」って絵画があるでしょう。画面いっぱい、ちっちゃな虫みたいに細々と、色んな遊びしてるこども達が描き込まれている絵。……うん、すんごい細かくて、カマキリとかね。虫の卵見てる時みたいな感じになってきたりもする……って、言ってるそばからゾゾゾゾゾッ(←鳥肌)。本書はそのこども達の遊びをひとつひとつ丹念に取り上げて、何の遊びをしているのかを明らかにした研究。自分の足を掴んで丸くなり、丘から転げ落ちる遊び。道端の大便を棒で突っつく遊び……面白い絵だなアレ、としみじみする本。2015/12/21

owl&shepherd

6
非研究者が読み通すのは少し辛かったが、『バベルの塔』のブリューゲル本が読みたかった。子どもたちはどんな時代でも遊びで創意工夫を学ぶ。なにせ豚の膀胱が遊び道具になるからね。いろいろな使い道には感心した。今から子育てする親が読むべきかな。2016/08/04

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