内容説明
朝日新聞「be」で連載が続いている「あるがまゝ行く」から、「いのち」と「平和」がテーマのお話を厳選。多くの患者と接して見たいのちの輝き、戦争を経て思う憲法への思いなど、103年の人生経験による知恵が詰まったエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
103
『生き方上手』を読んだ時から日野原先生のファンになった。年齢を重ねても瑞々しい心を持たれ、八面六臂の活躍をされる先生に頭の下がる思い。この本は先生が朝日新聞に連載しているコラムをまとめたもの。死にゆく患者さんにしっかりと寄り添う姿勢を書いたコラムに一番感動した。医者にとって患者の死は敗北ではなくて、新たな生の始まりであることを自らの態度で示されているのだ。赦しの重要性を説かれているのは、キリスト教の信仰から来ているのだろう。十字架上のイエスの死の重みが、日野原先生を突き動かしている原動力に違いない。2015/05/02
トムトム
12
日野原先生、戦争中に30歳だったという事に衝撃!長生きすると、色々な事が起こるんですね。全ての生命、死ぬその瞬間までは生きている。間違いない。これから死にゆく人に、手を握り声を掛け見送る。その瞬間まできちんと生きているように接する。意識がないように見えても、「聞こえたら手を握って下さい」と言うと握り返す方がたくさんいらっしゃるそうです。死は何も特別ではない、日常であると受け入れる事。必要以上に怖れないこと!2020/01/02
こもも
12
付箋をつけながら、言葉を噛みしめながら、ゆっくりと進んだ読書でした。付箋を付けた後は、読み返しながらノートにメモ。綴った言葉は「この世に生まれている限り、私たちに問われていることは・・・宇宙の彼方から投げられたボールをどう受け止め、どう投げ返すかなのだと思います」「チェリスト・パブロ・カザルス 鳥の歌」「十歳のきみへ―九十五歳のわたしから」「十代のきみたちへ―ぜひ読んでほしい憲法の本」「ゆるす―許す・赦す・恕す 寛恕」。平和の話をすると頑なになる息子には拒否されたけれど、いつか、子ども達に読んでほしい。2015/08/26
maricon
10
「十歳のきみへ」で感銘を受けた日野原重明さんの二冊目。戦後70年の節目を迎えて、手に取ってみた。こんなにわかりやすく心に響く文を連載で書くなんて、100歳を超える日野原さんのパワーに驚いた。まさに人のために命を使っているのだろうな。私も死が近づいた時に「生まれてよかった。本当に意味があったよ。」と言って、心静かに死を受け入れられるように生きたい。戦争をなくすには、目には目をではなく、敵をゆるすこと。そしてdon'tではなくlet'sの話をすること。2015/08/18
アーユルヴェーダ@五郎丸 進
8
命とはなにかと改めて考えさせられる一冊2015/06/25