内容説明
クレア・デウィットはただの女探偵ではない。独特の探偵術を駆使し、巧みに銃を扱い、師と仰ぐ探偵たちの教えを守り困難な調査でも諦めずに事実を追う。2007年、ハリケーンの傷痕が未だ残るニューオーリンズで、クレアは失踪した地方検事補の捜索を依頼される。洪水で死んだと思われる一方で、嵐のあとに姿を見た者もおり、経緯がわからない。真実によって誰かが傷つくこともある。しかし探偵にできるのは、謎を解決し先に進むことだけだ。変わり者で偏屈、そして最高にクールな女性私立探偵を描く、マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つねじろう
51
その女探偵の造形は悪くない。銃も使えるし占いも出来る。酒も煙草も葉っぱもやるしニューオリンズの荒廃した街にも一人で乗り込むし忠告も聴かない。自分を最高の師匠に学んだ最高の探偵だと主張するし、喪失感だったり倦怠感を漂わせつつも決して諦めることはないタフさもある。「探偵になるって云うことは誰にも好かれなくなるっていうことよ」「かまいません、誰にも好かれてません」「友達は?」「一人はいなくなって、もう一人は私を恨んでます」「いいわ、完璧よ」ね、会話も良いでしょ?でも今一つ乗り切れない何処か不思議なお話しでした。2015/05/17
MATHILDA&LEON
30
テレビや映画で活躍する探偵は、実に風変わりであり、且つ、友好的な対応をされるものだが、真実はそれと真逆で、疎まれ、軽蔑され、恨まれる職業だ。そして謎を解き明かすという事は必ずしも『幸せな結末』を迎える事はなく、寧ろ哀しみや苦しみを暴露させ、心の傷をえぐる結果を招く。それでも真実は明かされなければならないし、事件は解決されなければならない。ここで登場する主人公は、それらを全て享受し、自分の過去と闘い、その傷を抱えながら生きている。そういう“人間らしさ”を持つ彼女が魅せる力は人を惹きつけて離さない。2015/08/04
み
28
ジャケ読みした作品。女子の探偵さんのお話しなのですが、余りないタイプのような気がします、又はあたしが手にしない系統なのかも。面白くないって訳じゃなく、ちと好みではなく残念なり。2018/09/08
ハスゴン
22
とてもクールでかっこいいですね。次回作も控えているので楽しみにしています。2016/06/07
ちー
20
結末が知りたくて最後まで読みましたが、読みにくくて特に前半苦労しました。探偵の事件解決ものなのに、なんというか理論的でなくて読み辛い感じ。作者や主人公の中では、理論が通っているんだろうということは感じるんだけど・・・。2015/08/03