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内容説明
日本人の死に対する考えは不思議だ。生と死を厳密に分けず、つながっている感覚を持ち、死者への親近感や依存度が高い。その一方で「死は穢れ」という概念があり、葬儀後の「清め塩」や数字の「4」を避ける習慣がある。また、戦時中の神風特攻隊は、武士道が謳う死の美学を身をもって貫き敵国を驚かせた。元キリスト教徒のドイツ人禅僧が、日本と欧米社会を中心に比較しながら、曖昧な日本人の死生観と理想の死について考察する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
66
タイトルに惹かれて。自分もそうだがご先祖様を祈ることは日本人にとってごく当たり前のことである。それをドイツ人の禅僧がどの様に考えているのか気になった。読んでみると第一章の「複雑な死生観を持つ日本人」にそれは集約されていた。神道と仏教のコラボ化。カトリックで懺悔する様に仏壇に向かって口に出せない事をご先祖様報告する等、曖昧な日本人の死生観が少しだけ理解出来た。後の章は日本と世界との死生観の相違。葬式や墓参りに対しての各宗教の扱い方の違いが興味深かった。こういう考え方もあるのだな、と学びがある一冊。2023/04/19
もちもちかめ
22
今回は何だか散漫な印象。でも後半にいくにつれドライブがかかり引き込まれる。最後のまとめが駆け足なのが残念でした。無方の名前の由来とか、各宗派の葬式内容とか、各宗教の死者の弔いかたとか、具体的な話になるととても面白い。けれど、この本では禅や仏陀の教えにたいしての説明が散漫で分かりにくかった。2018/03/18
キリン
13
なかなか勉強になります。「木が枯れるような」人生の終焉が参考になった。2019/06/24
ひめぴょん
12
お墓参りへのこだわりは日本独特。著者はドイツ人で、ドイツまで母のお墓参りに行かなくても、いつでも日本からお参りできると思っていて、どこにいても母との距離は同じと感じています。日本人はとにかくお墓まで行くということを大事にすることを指摘しています。が、すべてのご先祖様はいつでもいまここにいる自分とともに生きている。この考え方は私にはしっくりきました。日本人独特の伝統的考え方・宗教観が失われつつあり、多様性のある価値観が存在するようになってきていますが、それでも高齢者は特に「それ」を認めないことが多く、特にお2023/04/19
アルカリオン
12
p78 「プロテスタントは神様しか信じてはいけない。カトリックはヨハネやペテロなどの多くの聖人のことも守護神のように感じている。どちらかというとお墓を大事にするのもカトリックだろう」という箇所が興味深い。カトリックは大乗仏教のようだ。 2021/12/03
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