内容説明
セックス、薬物、アルコール、高カロリー食、ギャンブル、慈善活動……数々の実験とエピソードを交えつつ、快感と依存のしくみを解明。最新科学でここまでわかった、なぜ私たちはあれにハマるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
292
【読メエロ部・原書】脳に関する研究は日進月歩、解明されていないことの方が多いらしいので、関連するご本を読むたびにワクワクする。前半で人間の快感の仕組みをざっくり解説。VTA(腹側被蓋野)がターゲットの軸索末端でドーパミンを放出することによって生じるんだけど、人間というのはすぐに耐性がついちゃう生き物なんだな、これが。エッチで得られるオーガズムの記事は、興味しんしん。オーガズムの快感は、食で得られるものよりは大きいが、ヘロインでのソレには及ばないとか。専門用語は飛ばし読みで多分OK、楽しゅうございました。2018/01/27
zirou1984
58
原題「快のコンパス」。最新の脳科学の本としてべらぼうに面白く、驚きと常識が覆る事例の数々に目から鱗が溢れだすような読書体験だった。20世紀半ばまで、人間の学習は懲罰さえあれば報酬/快楽は不要と思われていたという事実は社会的基盤を考えていく上で示唆に富んでいる。快というのを遺伝子やシナプスの働きによって解明させつつ、人間が学習や観念によっても同様に快を感じられるというのは興味深いし、依存症患者の問題は決して当人の責任ではないかもしれないが回復は本人の責任なのだという言葉も突き刺さる。これは文句なしのスゴ本。2015/08/17
かんやん
39
脳の報酬系(快感回路)に注目し、ドラッグ(アルコール、ニコチン含む)、セックス、高カロリー食、ギャンブルetc依存症の仕組みと治療法を概説する。面白いのは、様々な実験の紹介。恋愛と性の脳にもたらす快感のちがいなど、科学者とは妙な実験をするものだ(笑)サルの脳スキャンによると、単にエサを貰えるだけでなく、そこにギャンブル的要素が入り込むと、ドーパミン放出量が増えるという。感想にナイス貰うと、やっぱり快感なんだろう。こうして人はSNS依存になる。活字中毒についても、ぜひ実験して欲しい……2020/04/18
井月 奎(いづき けい)
33
面白かったです。神経回路的に言えばセックスも高カロリー食も向精神薬、そしてエクササイズや慈善事業も同じ快感だそうです。そしてこれは私の考えですが、依存性というのはその快感対象に慣れ、前のような快感を求めるために回数を増やす、日常生活に支障をきたしてもその快を追い求める状態を指すのでしょう。とすれば、快感を一回ずつこの上なく高めて味わえば依存性に陥らないですむのではないかなあ、と思いました。まあ、私もドラッグは服用していますがね。デヴィッド・ボウイというコカインとロッド・スチュワートというヘロインを。2024/09/07
Kouro-hou
31
脳神経科学から語る「快感」のお話。小難しい話も入るが挫けるな!という訳で図版や化学物質の解説は親切で豊富。ドーパミンが出るのは楽しい事や嬉しい事、それこそドラッグ、飲食、ギャンブルや、社会的に認められること→慈善活動なども含まれる。お薬一度くらいで依存症にはならないけど、一度で神経が鋭くカスタマイズされてしまう話はドキドキ。依存症は精神論で克服すべきものではなく、依存症になってしまうのは本人の責任ではない。しかしなってしまった以上は病人が安静にするように、回復するのは自分に責任があるというのにはしみじみ。2017/09/07
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