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内容説明
冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で緊張を高めているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
314
ドイツがEU内での脅威になっているという分析を初めて聴いた。著者がフランス人だからかフランス人に対して苦言を呈している論調に感じた。ドイツと言えばEUの盟主として踏ん張っているイメージがあるが実のところドイツも帝国主義的に影響を強めているのだと思った。2015/05/30
Miyoshi Hirotaka
147
ドイツというシステムは驚異的なエネルギーを生み出す。これを制御しうるのはロシアとアメリカ。前回、同盟国日本とアメリカの開戦が、ロシアを助け、第三帝国は滅亡。ところが、今度は一発も撃たずに、第四帝国ともいうべきドイツ圏が成立している。イギリス、ギリシア、ハンガリーでEU脱退論が起きるのは、ドイツ流の統制で戦争なき独裁が行われることへの警戒感がある。過去には、ヴィルヘルム2世、ヒトラーが他国の既得権と衝突し、二度の大戦の原因を作った。ドイツのメンタルな硬直性とリーダーの心理的不安もヨーロッパの懸念要素だ。2015/12/26
もりやまたけよし
101
ユーロを上手く利用しているドイツにそれを作ったフランスというくだりがあった。トッドはフランス政府に文句を言っているだけかな。人口学とか人類学の学者が言うべき問題か疑問だ。2020/11/06
舟江
89
著者のドキュメンタリー番組を見て、気になり、そのうちの一冊を選んだ。既にフランスには、ジャック・アタリ、トマ・ピケティと有名な経済学者がおるが、何でこの様に予想屋みたいな学者がいるのであろうか?そして訳者もいまいちであった。2016/12/03
rico
81
2015年出版。著者が昔からバチバチやってきたフランス人ということはあるにしても、ドイツはどうやら欧州の中ではかなり特異な文化や社会を持つらしい。EUを引っ張ってきた優等生的イメージだが、そのユーロ圏が弱体化していると警鐘を鳴らす。一方、ロシアは着々とその力を取り戻しつつあり…。私の知識では本書の内容には全く追いつかないけど、「メルケル後」の展開が不透明だったり、イギリスがEUを離脱したり…また何かが動き始めそうな。これに、トランプやマクロンが加わるとどうなるんだろう?もう少し勉強します…(^^;2020/02/12