内容説明
市川團十郎三回忌。娘が初めて語る涙の真情。これは「普通の家庭」の父娘の話である。かくも理解し合えた父娘がいただろうか?涙なしでは読めない感動の手記!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りずみぃ
34
内側から見た成田屋の様子が素直に綴られていて好感が持てる。男の子が重宝される歌舞伎の家に女として生まれた疎外感から一転、父親が病を得た事で看病を通して、父娘の絆を深めていく様が痛々しくも微笑ましい。海老蔵事件の時、身を以て海老蔵を庇った団十郎の真意も書かれていて興味深い。伝統芸能に現代の感覚をプラスし、次の世代へと継承していこうという気概も感じた。2018/12/27
りほ
4
大好きだった歌舞伎役者故12世・市川團十郎さんの娘。歌舞伎の舞台でも見たことありますが、その時、泣くほど舞台に立ちたくなかったとは知らなかったです。ぼたんさんから見た團十郎さんの闘病記。壮絶な白血病(最も治りにくい種類だったそうです)なのに、明るい父娘の日常が切なくも愛しい。息子の海老蔵は色気があるけど、私は團十郎さんの晴れた空のように華やかで穏やかな存在感が好きでした。ぼたんさんの飾り気がない人柄が伝わってきました。2018/02/07
さおちゃん
3
團十郎さんが亡くなって3年。まだ歌舞伎のことを知らず、團十郎さんがどれだけ凄い方か知らなかった頃はやんちゃな海老蔵さんをひたすら庇うお父さんという印象。亡くなってから、團十郎さんの舞台をテレビで拝見して、凄い方だと実感しました。病気を抱えながらも、常に芸と向き合い、家族に愛情を注ぐ姿。20代~30代にかけて父を看病しながら、芸と向き合う娘。時系列はバラバラですが、娘の視点で書かれた團十郎さんはとてもユニークで優しい方だったし、もっと團十郎さんの舞台を見たかった‼そんな読後感でした。2016/03/27
rinrinkimkim
3
ラストでお父上様の最期が緊迫な文章で書かれています。その前までは30過ぎてこーんなふわっとした文章書くのねぇとちょっと残念な気持ちもありましたが払拭させる数ページだった。又お父上様と屏風を選ぶシーンで「屏風はろうそくの明りで見るものだ」という教えが大変勉強になりました。屏風絵をろうそくの明りで見ることが叶う家って一体どのくらいあるのかわかりませんが、今生一度でいいから経験してみたいです。最期の弁慶は幸四郎丈と演舞場。この弁慶を思い出しながら歌舞伎座杮落し公演での海老蔵の弁慶見てグッときたのを思いだしました2015/07/31
海
1
5/5点。初めての本にしては文才を感じた。亡き父への純粋な愛情と喪失感。初めから感動で大号泣。誰かへの感謝や愛情は他人の私が見ても癒される。ぼたんさんは堀越家の中で一番存在感がなかったけど、あれだけの文才とひた向きさ。海老蔵さんより父の性格を受けついているのではないか。あるいは、歌舞伎一家の娘の逆境に、恵まれた海老蔵さんより感情移入しやすいのかな。ぼたんさんと団十郎さんが好きになった。生前もっと知っておけば良かった。2016年読了。2019/07/13
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