内容説明
盗まれた名画を捜して海外出張中の夫マックスの留守を預かるセーラのもとに、夫妻にとって因縁浅からぬ「御殿」ことウィルキンズ美術館にて、またしても変死事件が発生したとの連絡が入る。犠牲者は美術館職員で画家のドロレスだった。その翌日、ひとり事務所に立ち寄ったセーラは何者かの襲撃を受け、被害を届けに赴いた警察署ではドロレスの件にまつわる意外な事実を知らされる。美術館一筋だった彼女の死には、思いもよらぬ複雑な事情が秘められているのか……?古都ボストンを舞台に、美術品専門の探偵夫妻の活躍を描く人気シリーズ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
59
シリーズ11作目。コージーミステリの代表格とも言うべきセーラ・ケリングシリーズを久しぶりに堪能。今回はマックスもブルックス夫妻も登場しないのが淋しいがその分セーラが大活躍。舞台はなんと『盗まれた御殿』と同じくウィルキンズ美術館。多くの名画が盗まれ模写と入れ替えられた過去のある悪評高きこの美術館で今度は画家で職員のドロレスが死体で発見される。そして彼女の遺言執行人となったセーラは不可解な事件に巻き込まれ・・。貸金庫や謎の帽子ピン、車による襲撃を乗り越え全てを解き明かすセーラはもはやマックス以上の名探偵かも。2024/02/23
mocha
39
待っていたのも忘れてしまうほど久しぶりの新刊。名門ケリング家の一員であるセーラが、夫で美術品専門の探偵マックスとともに事件の謎を解くシリーズ11作目。表紙が以前とはまるで違うけれど、こっちの方が好き。80年代が舞台とは思えないレトロな雰囲気がよく出ている。このシリーズが初読でも問題はないが、おぼろげに記憶しているだけに、過去の事件に触れる描写にもやもやしてしまう。マックスや、シオニア、ブルックスの出番がなかったのも残念。まだ1作未訳のものがあるようなので、出版のあかつきには全作通して読みたい。2015/07/28
みみずく
26
2015年の望外の喜びであったセーラ・ケリングシリーズの続編発刊。大事にしすぎたので今年の締めくくりに読んだ。今回はマックスが海外出張中、おなじみのケリング一族の面々は留守中で少し寂しかったが、私のお気に入りジェム伯父や庭づくり名人の従姉アンなどが出てきてケリング一族不足になることはなかった。また美術館での殺人に巻き込まれて命を狙われたり、シリアスに落ち込んでいきそうな状況でも持ち前のバランス感覚で乗り切って行くセーラが頼もしかった。次は最終作、全員集合してくれるといいな。2016/12/14
更紗姫
25
初めて会った時、セーラは私よりずっとお姉さんでやり繰り上手の主婦だった。彼女の年齢をはるかに超えちゃった今でも、見習いたい「可愛い女(ひと)」。上品に毒づいたり、愛らしく剣突を喰わす、何をしても顕れる育ちの良さは今更身に付くものではないけれど。 昔の帽子ピン、現物を見てギョッとした事がある。長さも鋭さも、まさしく凶器。帽子ピン絡みの傷害事件って結構あったのでは?同じく髪に挿す簪も凶器になり得たのかな。最後にボーディおばさん登場。年配のキャラが活躍するのもこのシリーズの楽しいところ。私も美術館に住みたい! 2015/07/25
かもめ通信
20
書評サイト本が好き!を通じてのいただきもの。実は初マクラウド。長らく翻訳出版が中断されていたとはいえ,シリーズの途中から手にしてもついていけるかどうかと読み始める前はちょっと気になりはしたけれど,主人公の絶え間ないおしゃべりでこれまでのあれこれが理解できるような構成になっていた。ただし,それがちょっと冗長すぎた気がしないでも。今回は出番がなかったり,少なかったりするレギュラー陣の近況も盛り込まれているので,シリーズファンならもっと楽しめたに違いない。第1作が近々復刊されるそうなのでそちらも読んでみよう。2015/07/21
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