内容説明
家康が信じたものは何だったのか。石川数正、鳥居元忠、渡辺守綱ら忠臣たちや、千姫から見た家康の姿から浮き彫りになる人間・家康を描く短編集。家康の最期に迫った「家康の遺言」は、これまでの家康像を覆す、読み応えのある力作。信康を自害させたのは果たして信長だったのか、忠輝を遠ざけた本当の理由は? 家康にまつわる様々な謎がここで明らかに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミユ
47
石川数正、鳥居元忠、渡辺守綱、千姫、それぞれから見た徳川家康の4編と表題作である家康自身が最後に自分の人生を振り返る1編。独特な展開というわけではないのだけど丁寧な描写で普段なかなか主役にならない人物がメインなのは面白い。特に渡辺守綱に関してはよく知らなかったので興味深く読めました。家康の築山殿への感情も切ない。2016/07/03
金吾
28
家康周辺の短編集です。家中の繋がりがわかる話が多かったです。「逢坂の難関」「不死身の月」「千の貝合わせ」が良かったです。2023/06/15
にゃも
19
石川数正、鳥居元忠、渡辺守綱、千姫、そして家康の心の内が語られる短編集。家康の家臣団好きとしては、特に前半の3編にむちゃくちゃワクワクした。なかでも『不死身の月』が一番好き。こんなのが読みたかったのですよ。2022/10/30
ほうすう
17
石川数正・鳥居元忠・渡辺守綱・千姫、そして最晩年の家康といった家康にまつわる人物を主人公とした短編集。全体的に家康の天下取りの犠牲になった人物が多く登場していた印象。個人的には数正主役の「逢坂の難関」と守綱主役の「二人の半蔵」が好きだった。数正の何も言わない無言の死と、あくまでも守綱視点ではあるが関ケ原の戦いをなんでも家康の謀略に落とし込んでいなかったところが好ましく感じた。2022/10/05
Book Lover Mr.Garakuta
16
日本史戦国期の家康にまつわる短編5編。知らない人物も多かった。矢張しっかりと家臣団に守られていたからこそなしえた事業であると思った2020/02/11