内容説明
角交換四間飛車が流行しだして、約10年。初めは後手番の作戦と思われていた角交換四間飛車も、今や先後どちらでも有力な「振り飛車のエース」といえる戦法になっています。角交換四間飛車は互いに角を持ち合ったまま戦いを進める特殊な戦型です。序盤の駒組み、中盤の仕掛け、終盤の寄せ合い、それぞれの場面でこの戦型特有の手が存在し、従来の振り飛車と同じ感覚で指してしまうと失敗することも多い形です。
本書はそんな角交換四間飛車独特の感覚を養うための一冊。「手順の暗記」ではなく「考え方を身につける」ことを主眼としています。角交換四間飛車で好成績を残している安用寺孝功六段が本戦法を指す上でのコツ、考え方を、「24の心得」としてまとめています。序盤、中盤、終盤それぞれで使える心得を初手からの手順を追って詳しく解説しており、心得を追っていくだけで、一局を通しての角交換四間飛車の指し方が身につくようになっています。
「腰掛け銀には▲7六銀」
「銀冠の急所は3三桂」
「向かい飛車には銀を繰り出せ」
「△7九角の強襲には飛車をさばけ」
「△7四歩には▲7五歩の歩交換」
「逆棒銀がダメなら左銀は中央へ」
実戦はなかなか想定通りにはいかないものですが、考え方さえ分かれば、もう急所の一着を逃すことはありません。安用寺六段が授ける24の心得を全て極めたとき、自信を持って角交換四間飛車を指せるようになっているはずです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
13
序盤で局地的成功をジワリと積み重ねて優勢を築く。中盤で敵の挽回策を看破し勝勢で終盤に突入。終盤では勝勢からおもむろに決め手を放ちようやく勝利の美酒に酔える。これが勝ち将棋の王道だ。しかし言うは易く行うは…。どこかで躓いてしまうのが将棋であり、わけても素人は至る所で落とし穴にはまってばかりだ。本書は角交換四間飛車の序盤・中盤・終盤で現れがちな24つの局面を題材に、陥穽におちいらないための心得を教示していく。定跡書を読み角交換四間飛車を指し始めたはいいが、いかんせんコツが掴めない人のための最適解だろう。2017/11/24
キリル
4
解説が序盤、中盤、終盤の3パートに分かれています。各場面でどのような点に気を付けるべきかを心得として最初に明示してあるので、どこに気を付けて読めばいいのか分かりやすかったです。定跡の説明だけでなく、そこから変化した場合、どのようになるのかについても意外と多く取り上げられていたように感じました。2015/09/22
むむむ4yyk
2
心得、というタイトルだと大雑把な大局観・気楽にちょっと読めそうという印象受けるが結局定跡をなぞっているような本なので他の定跡の本を読んだほうが良いしそれらのほうが優先度は高いはず(門倉本か藤井本とか大介本)。ただ50点の手60の手と具体的な点数、悪い手から順にこう切り返されてダメと書き方がわかりやす部分があるのはいいかな…。2015/08/10
まゆげさん(棋書用)
0
表紙のタイトルとなっている24の心得というのは、24のテーマ図があり、よく遭遇する盤面(テーマ図)から指しやすい、または優勢に持っていく指し方を、大体8ページくらい紹介されている。 構成は3章に分かれており、序盤、中盤、終盤に分かれている。 個人的には、序盤と中盤の心得はよく遭遇する盤面なので、本当に役に立ちました。 ただ、Amazonのレビューでもあるように、序盤の43戦法と、中盤の43戦法の続きはいらなかったと思います。 かなり進んだ盤面や、そこからの棋譜が長いので、上級者~段位者向けだと思います。2024/05/15
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