内容説明
第一線で教鞭をとる哲学者の「死」に関する講義である。ジュニアとかかわることが多かった著者が、だれもが知っていてその本質を見極めることができない「死」という命題に取り組んでいる。第1章:なぜ、死が問題なのか――「哲学するとはなんだろう」と考える意味を説く。なぜ、どうしてという思いに何度も取り組むことが新たな世界をひらくことにつながるという、その重要性を明らかにする。第2章:死――その哲学的思索の流れの説明を説きながら、本質を明らかにさせる。「他人の死」を経験したとしても、「自分の死」とは違う。自分の死が身に降りかかるということは、自分自身のすべてを失うことにつながるからだ。死に遭遇したらリセットはできない。第3章:生――「人は必ず死ぬ」と認識することで、「生」の認識は変化する。「ない」と「ない」の間に「いま、ある」という生の存在。その奇跡に生きる意味がうまれるのだ。丁寧かつ清廉な哲学入門書!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
テクパパザンビア
20
最後らへん難しかった。死の話を筋道立てて納得いくところまでとことん考えぬくのはしんどいです〜。人間とは死すべき者=人間だけが自分がいずれ死ぬという事を知っている。他者の死に『疚しさ』を感じ私自身はさしあたり、まだ死なずいつか必ず死ぬ。『純粋な未来としての死が、私の生の屋台骨を貫通する』に脱帽。とにかく『いま、ある』自分を楽しみまっさ!2016/12/07
あに太
3
死を考察することで、生を肯定することに至る興味深い本。「いま、ある」人間は「もう、ない」=過去と「まだ、ない」=未来に囲まれて存在している。「ある」は「ない」に埋め尽くされることで存在している。「いま、ある」はすでに与えられており、贈与者がいない贈与である。「いま、ある」を消去しようとしても、この「実在」は消去できない。「死は生の否定ではなく、そのなくてはならない片割れ、親友、パートナーだ。この両者を丸ごと「引き受ける」とき、全面的に肯定するとき、「ただ、生きる」ことが成就する」。2025/03/09
ミヒャエル・安吾
2
死、それ自体に善も悪もない。それは一種の「現象」だからだ。2017/01/29
cocolate
2
いかんともしがたい、ある。無根拠に、ある。数直線でも書かないと理解しにくい。本気で無について考えたことがない。 dasein。2015/06/28
代拿邁人☆
1
与えられたのなら何か返さねばならない、という論理にはヤクザじみたものがあるが確かにそういう議論はよく見る。逃れがたさと気にしなければならないこととは分けて考えられるだろう。あるや理由のないことについて直感は上手く捉えられている。2023/10/25




