内容説明
郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅。若き鉄道員・夏目壮太の日常は、重大な忘れ物や幽霊の噂などで目まぐるしい。半人前だが冷静沈着な壮太は、個性的な同僚たちと次々にトラブルを解決。そんなある日、大雪で車両が孤立。老人や病人も乗せた車内は冷蔵庫のように冷えていく。駅員たちは、雪の中に飛び出すが――。必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
116
駅を舞台にした駅員さんたち達のお仕事小説。まだ駅員としては半人前だけど物事を冷静に判断できて周りを動かせる壮太を筆頭にそれぞれの駅員さんのキャラがたっていて面白かった。そんな駅で次々と起こるトラブル。乗客として利用するだけでは分からなかった苦労や仕事内容も少し分かり、やり甲斐のある仕事だと思った。駅長さんの正体にほんわかした気持ちになった。2022/09/17
相田うえお
94
★★★★★21123【一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常 (二宮 敦人さん)k】漫画みたいな小説だったので楽しく読ませていただきました。まずページを開くと螢川鉄道の路線図があるんですけど、"すごろく"みたいで見てるだけで楽しくなります。連続短編構成の本作品、第一話目:車両内で紛失。第二話目:駅で不思議な現象が!第三話目:大雪で送電線が切れて電車が動かない!車内には急病人が!◯よかったです〜特に三話目が。緊急事態発生!駅で働く方々と乗客との協力シーンで思わず感涙!鉄道好きの方に超オススメ!2021/12/31
aoringo
85
架空の電車、蛍川鉄道の駅員さんたちについての日常が描かれた一冊。読みやすくて三時間位で読了できました。前半は駅員さんと愉快な仲間たちによるお仕事小説といった感じだが、後半はなかなか胸熱な展開に。時間通り動いていて当たり前なのに、有り難みを忘れがち。気を付けよう。そして駅長の正体は途中で気付くことができました。2021/06/25
みかん🍊
82
よかった~初読みの作家さん、軽い感じの鉄道のお仕事小説と日常ミステリーと思って読み始めましたが、漫画の原稿を列車に忘れて鉄道を上げての大捜索、それを蛍川鉄道藤乃沢駅若き駅員の壮太が推理する話、駅に出る幽霊騒ぎを解決する話、そして間に挿し込まれる悩める就活生俊平の章、最後は雪での架線切断による列車の停車、当たり前に毎日列車を走らせるのが鉄道、その当たり前の為に毎日働く駅員達のチームワーク、最後は涙してしまいました。別々のエピソードが繋がり、駅長の正体は!こういう展開大好きです。2015/06/05
seacalf
81
駅員をはじめ、鉄道員の仕事をどう扱っているのか興味津々で手に取る。なんだかほんわかしたアニメ感が強い登場人物達にひるみつつ、でもなかなか上手に描かれている。苦悩の就活生も同時に語りながら、最後にはピースがうまくはまって気持ちの良い結末。駅長さんにも、ほっこり。これはもう一冊読んでみようかな。2017/07/02