四季彩のサロメまたは背徳の省察

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四季彩のサロメまたは背徳の省察

  • 著者名:森晶麿【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 早川書房(2015/06発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152095374

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内容説明

私立扇央高校朗読部の主・華影忍。“歩く女百科全書”を自称する彼は、新入部員の後輩、通称「カラス」から、春休みに一目惚れした女子生徒を探してほしいと頼まれる。だがカラスが探していたのは「存在するはずのない」少女だった……。カラスの仄かな恋心は、嫉妬が引き起こした残酷な夏の事件、軽薄さが全てを崩壊させた秋の事件を経て、次第に忍と彼の婚約者の歪な関係へと繋がっていく――。青い春の只中で、今は亡きサロメの幻影に囚われた美しき男子高校生の一年を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

91
(登場人物への辛口感想、というか悪口)主人公の忍のせいで読むのが苦痛な読書でした。忍については「人を本気で愛したと言いながら人は自分の思い通りに動くと侮る、顔と金持ちという点が取り柄なだけのエロ餓鬼。しかも思考も浅墓で本物と偽物の区別もつかない愚物」という印象しか抱けなくて・・・。そんな彼の犠牲になったヨカナーンこと村上執事と稔さん、神奈ちゃん、道子さん、サロメ、が可哀想過ぎる(;_;)でも最後のサロメの呪いで私の胎で満ちていた忍=愚かな男共への呪詛や憎悪は大いに溢れ、嘲笑を零さずにいられませんでした。2015/06/17

九月猫

43
この作品の半分はエロでできています。というのは言い過ぎ(少ない方に)?春は「乳」、夏は「尻」、秋は「太腿」、冬は「背中」を章タイトルにプラスしたい。前作(恋路ヶ島)よりは突き抜けちゃった分おもしろかった。行為をあからさまに書き過ぎだけど。ところで、忍の脇が甘い。斜に構えて悠然と小憎たらしいタイプかと思いきや、わちゃわちゃした思考で「女」という生き物を愛している以上に甘えている。彼の浅さ・未熟さがあってこそ成り立つお話ではあるのだけど。長めのエピローグ、とこしえのサロメのループ。忍はきっと永遠に囚われる。2015/06/07

nyanco

42
エロかった~、少し読み始めて通勤のお供のラインナップから外しましたw 耽美で独特の世界観、同人誌でよくありそうな設定だけれど、やっぱりプロが書いたものだなぁ、と感じる。敢えてこういう設定にしていて、奥にきちんと作者の筆力を見せつけられた感じ。ミステリー部分もなかなか面白かったのですが、個人的には忍様、口ほどではないヘタレだったかなぁw やはり女は強いです。 2015/07/18

そうたそ

40
★★★☆☆ BLっぽい表紙に「もしかしてそっち系の話?」と思って読み始めたら、まあ作品の8割が「太腿」「乳房」「尻」ときたものである。つまりエロ要素はそれなりに強いのでそれに嫌悪感を覚える人は手に取るべきでない。まるで噴飯もののエロ台詞のオンパレードだがそれはそれで面白かったりする。さて内容だが、タイトルにもあるように作品全体は「サロメ」そのものと同様の筋をなぞっているらしい。個人的には「サロメ」は未読なので分からないが、それを抜きにしても意外と面白かった。この何とも言い難い内容こそ森さんっぽいかも。2015/05/20

朝比奈さん

40
こういうテイストの物も書くんだ、森晶麿。最初はちょっとびっくりしたけど、この人の作品の中は一番しっくりきたかも。美について語るならここまで突き抜けて欲しかったんだな、きっと。フェチズムに正面から向き合うとこうなるのな。そして、忍さんに下る天誅w。でも、こんな高校イヤだわ。2015/05/20

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