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内容説明
名将ぞろいの武田軍団において、敵方の堅牢な城を次々に攻め落とし、主君信玄の絶大なる信頼を得ている男がいた。かつて小豪族ゆえに領地を追われ、流浪の日々から復活した真田幸隆である。信玄の父である武田信虎らの連合軍に領地を奪われた幸隆は、当初武田晴信(のちの信玄)に仕えることをためらっていた。しかし山本勘介の仲介で晴信に謁し、北信濃攻略の案内役を任されると、めきめきと頭角を現していく。信玄が失敗した戸石城攻略を調略によって成功させるなど、主に「智謀」を駆使して戦功を重ねた幸隆は、武田軍団指折りの智将としての地位を築く。そんな彼が定めた「六連銭」の旗印――三途の川の渡し賃である六文の銭の図柄は、命すら惜しまぬ戦いを繰り広げる真田家の象徴として、息子の真田昌幸、孫の信之・信繁(幸村)に引き継がれていった。のちに天下に勇名を馳せる真田家、その家祖の知られざる生涯を見事に描いた力作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
8
真田三代の初代の人。昌幸の父で幸村(信繁)の祖父。一族は真田の里で長年暮らしてきたが、武田・村上連合軍により故郷を追われ流浪の生活になる。しかし武田・村上の対立により真田の里が村上の領地になると、幸隆は武田晴信(信玄)に臣従を誓い里の奪還を目指す。そして信玄の絶大なる信頼を得て、やがて故郷の里の回復に至る。読んでいると、幸隆は昌幸・幸村以上に謀略の人のように思える。特に敵の結束の隙をついた内部切り崩し能力がハンパない。これは秀吉の得意技だったが幸隆もまたその資質が尋常ではなかったようだ。→2024/04/15
BIN
5
真田幸隆を描いた作品。息子の真田昌幸とはまた違ったタイプの智将で調略の天才。一度自分の献策で危機に陥って失敗したあとからの天才ぶりの発揮は良い。真田一族(4人の息子と昌幸の子2人)が全員優秀。武田信玄との仲も非常に良く、スラスラ読めて真田幸隆ものとしては良い作品。2013/06/11
Book Lover Mr.Garakuta
4
図書館本:読了。真田家の話。日本戦国時代の話だ。智将真田一族の系譜を知れる本だ。2018/11/07
スプリント
3
真田幸村の祖父である幸隆の生涯を描いた作品です。武田・村上・諏訪連合軍によって真田の庄を追われたところから始まります。知将という名声が広まっていますがその生涯は苦戦の連続であることがわかります。劣勢の状況から地歩を固めて父祖伝来の土地を奪回・死守していくために知略を尽くす様はその名声に恥じない活躍ぶりです。2014/03/16
紫暗
3
タイトル通り真田幸隆の一生を描いた小説です。一生といっても幼少期は出てきません。真田の庄を出てから死ぬまでが描かれていました。真田幸隆、昌幸、幸村の真田三代の祖ということで読んでみましたが、可もなく不可もなくといった感じかと思います。小説としてはそこそこ面白いのではないかと。ただし、有名なエピソードがさらっと流されていたり、そんなことが本当にあたのか?と疑問に思う部分は多々出てきます。さらっと幸隆について知りたい人にはお勧めです。2011/10/08