内容説明
江東区のマンモス団地で殺人事件が発生!刺殺された遺体はナイフを握っていた。稚拙な自殺偽装に新米女刑事・如月ら十一係は憤りを覚え捜査を開始する。しかし、犯人は自ら特捜本部を脅迫してきたのだ。《一日にひとりずつ東京都民を殺害する。この計画を止める方法はただ一つ。二億円を用意しろ》 講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
目次
第一章 ナイフ
第二章 タブレット
第三章 ロープ
第四章 ピルケース
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
157
これは面白い。なぜか作者のフェイクにひっかからず、犯人はだいたい推測ついたが、全貌は全くわからなかった。警察小説よりは推理に近く、『石の繭』の雰囲気に戻った気がする。このシリーズ、警察の縄張り争いが少なく警察ものらしくないと言う批判が多かったが、それに応えようとしたのだろうか。近年加速する蛸壺社会、希薄になる人々の繋がりが良くかかれてたと思う。2019/02/19
KAZOO
137
このシリーズ4作目です。私の読んできた警察小説の中でも比較的フィーリングに合うようでとまりません。主人公がいいのとグループでの役割などが結構楽しく今までの警察小説にはない本格的な推理部分もあるのでかなり楽しめます。殺された人物たちがつながってきて、犯人像も一転、二転します。2018/05/30
nobby
131
シリーズ4作目。なんか久しぶりに良い意味で肩肘張らずの読書楽しんだ。すっかり1年以上空いていたが、まずは良きチームワークぶりを堪能。次々に見つかる自殺にしては稚拙過ぎる他殺死体、一方で都民1300万人のうちの誰かの命と引き換えに2億円要求、はたしてこれらに共通するのは何なのか!?全般的に程よく繋がっていく展開や、相変わらずフラグ立ったまんまの塔子の活躍は安心出来る面白さ。その上で、終盤での少し早めの解決への違和感からの捻りはさすが。鷹野の超人的な推理はご愛嬌として、気付けばあれもこれも伏線なことに脱帽…2018/02/16
utinopoti27
122
マンションの非常階段で見つかった、自殺に偽装された刺殺体。1日1殺。都民1千3百万人を人質に、警視庁を脅迫するという、前代未聞の犯罪との対決が幕を開ける。次々と新たな犠牲者が出る中、警察組織を挙げた必死の捜査の末に、やがて浮かび上がる驚きの人物。さらに事件の裏に潜む禁断のビジネスとは・・。お馴染み殺人分析班の活躍が冴えるシリーズ第5弾は、二転三転するシナリオの妙がキモ。相変わらず都合のいい展開に加え、結局はヒロイン如月と鷹野の勘が決め手というオチも、シリーズのお約束と割り切ればそれもまた良し、か。2019/07/11
ケイ
101
あっという間にシリーズ第4弾まできてしまった。しかも、今回の展開は息をつく暇もなく、 このままではシリーズ最新刊に追いついてしまうじゃないか。身代金とも言うべきお金が絡み、さらに受け渡しを行う人が心配で、無事にいけるか息を飲んで見守っていると、まさかの展開にキャーと叫びそうになった。視覚で見えてしまうような刺激。鷹野とのコンビがずっと続いて欲しい2024/04/23