講談社文庫<br> 国を蹴った男

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講談社文庫
国を蹴った男

  • 著者名:伊東潤【著】
  • 価格 ¥803(本体¥730)
  • 特価 ¥562(本体¥511)
  • 講談社(2015/06発売)
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  • ISBN:9784062931151

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内容説明

不条理な世を渡る武器は、気骨と果断。利に生きるか、義に死すか。敗れざる者たちの魂の咆哮。“豪腕作家”の凛然たる戦国小説集。いま、もっとも注目される歴史作家が満を持して放つ! 武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉――天下に手を伸ばした英雄たちの下、それぞれの一戦に臨む者たちの、生死の際を描く! 伊東潤、一戦ここにあり!

目次

牢人大将
戦は算術に候
短慮なり名左衛門
毒蛾の舞
天に唾して
国を蹴った男

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

331
とても好きです。戦国時代の短編集で、有名な武将の物語ではなく、歴史にあまり名前の出てこない人物達の非運を描いています。時代の価値観、権謀術数に翻弄されながら死んでいった者達の悲哀。時に痛快で、時にもの悲しい心の襞を、史実に忠実か否かなど全く気にならない程面白く描かれています。それぞれが「生きている」という息吹、その辺りが上手いですね。特に響き、衝撃的に印象が残ったのは、かの直江兼続に対する嫌悪感と、前田利家の妻「まつ」に対する女の怖さです!6編全てで『小説家の類まれなる創作センス』を堪能できる秀作‼️🙇2020/07/16

しんごろ

215
短編集ですが、どの話も素晴らしい。それぞれの主人公は、決して教科書に載るような存在ではないけれど、義に生きる者、信念を貫く者、それぞれが結果的に、敗れざる者達ではあるが、その生き様はどの男達も、誇り高い“漢”だった。表題作はもちろん、全てがよかったが、とくに目を見張ったのは『天に唾して』の山上宗二の話。信念を貫き通した生き様に、心を躍らされました。2020/01/06

yoshida

181
伊東潤さんは初読みの作家さんです。比較的マイナーな人物を主人公にした短編6編を集録。私は歴史物が好きで楽しく読めました。「牢人大将」では那波無理之介を主人公に、武田家牢人衆の活躍と長篠合戦での滅亡を描く。まず、那波無理之介を主人公にした着眼点に痺れますね。無理之介はどこかの合戦で慎重策をとったら「道理之介と名を変えよ」と朋輩に云われた事を思い出し、印象深かったです。山上宗二や佐久間盛政など、敗者の側から反骨心を見せる姿が清々しかった。小早川秀秋が暗愚というより少才子として描かれており斬新。他作も読みたい。2016/11/24

mapion

166
短編全6話。どれもひねりが効いたストーリー。『戦は算術に候』の長束正家は算術の才があるばかり、他はさっぱり。『短慮なり名左衛門』では非情な直江兼続に会えます。『天に唾して』では茶人の山上宗二と秀吉の対決の場面が気持ちいい。『国を蹴った男』での今川氏真が、武将としてはバツ印。生まれる場所も時代も間違えた人ですが、戦場から離れ殺されることもなく、それなりに幸せに生きたようでめでたしめでたし。他『牢人大将』五味与惣兵衛、『毒牙の舞』利家の妻まつのダークサイドに踊らされる佐久間盛政。2025/03/14

遥かなる想い

123
戦国時代の著名な武将の陰で生きた者たちの短編集である。武田家牢人衆、長束正家、直江兼続、佐久間盛政、茶人 山上宗二、今川氏真… 個々のエピソードが新鮮で 面白い。 特に表題作の今川氏真の蹴鞠と歌人としての人生は 秀逸で、今川家という 大大名でありながら、文化人として 生きたかった別の側面が 爽快に描かれている。2022/02/10

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