朝日新書<br> 出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来

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朝日新書
出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来

  • 著者名:河合蘭【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 朝日新聞出版(2015/06発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022736123

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内容説明

「科学ジャーナリスト賞2016」受賞作
<科学ジャーナリスト賞の贈呈理由>
出生前診断の歴史と現状を理解するのに役立つ大変な力作だ。妊娠中、あるいは、これから妊娠を望む夫婦にとって、よい指針となる作品だろう。出生前診断が命の選別につながるとの日本特有の社会状況に肉薄しているところも出色といえよう。(日本科学技術ジャーナリスト協議会ウェブサイトより)

羊水検査、絨毛検査、母体血清マーカー検査、
NIPT、着床前スクリーニング……
1970年代に始まり、次々に登場してきた胎児診断技術。
検査を受けるか否か。結果をどう受けとめるか。
晩産化が進み、産科医療も進歩するなかで、
多くの女性たちが重い問いに対峙し、葛藤している。
体験者の生の声、医療関係者の賛否両論に、
日本で唯一人の出産専門フリージャーナリストが迫る。

【目次】
第1章 動き出した次世代の検査
・出生前診断の本来の目的は「治療」
・新しい出生前診断のニュースで妊娠を決心
・NIPTは母体漿中の胎児DNAを調べる
・実施施設の不足が招いた大混乱
・正確に知りたい「本当の精度」/ほか

第2章 女性たちの出生前診断体験
・アンケートから浮かび上がった女性たちの気持ち
・あえて決断に向き合わないという作戦
・揺れ続ける心
・生む勇気を持つために
・体外受精と出生前診断の関係/ほか

第3章 「羊水検査」で出生前診断は始まった―ある医師の語りを中心に
・胎児が見えなかった時代
・生命の設計図との出会い
・治療だったはずの技術が、やがて検査に
・絶たれた対話
・技術を前に医師たちも苦しむ/ほか

第4章 1990年代「母体血清マーカー検査」をめぐる混乱
・「絨毛検査」が登場、学会による規制が始まった
・採血で調べる初めての検査「母体血清マーカー検査」
・インフォームド・コンセント一切なしのケースも
・上がり始めた抗議の声
・厚生省の科学審議会に専門委員会が設置される/ほか

第5章 超音波検査とグローバリゼーションの波
・超音波検査を応用した「コンバインド・テスト」
・一般医師が行う通常の超音波検査と専門家の検査の違い
・日本に不足している胎児超音波の専門施設
・「見ようとしなくても見えてしまう」ジレンマ
・NT計測も「知らせる必要はない」/ほか

第6章 これからの出生前診断
・NIPTは羊水検査を増やす?減らす?
・日本ダウン症協会は何に反対しているのか
・欧米は「結論は出ない」という結論に達した
・遺伝学者の願いが遺伝カウンセリングを生んだ
・「自己決定」の限界/ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フクミミ

14
不妊治療の末、授かった子供にも障害の可能性はある・・という事に無知な私は驚いた。 出生前診断で高確率で我が子に障害があると判った場合、私は中絶する人を責めたりは出来ない。高齢出産が増加傾向にある昨今、出生前診断はやがて普通のことになってくるのではないだろうか。妊娠から出産まで、多くの事に判断を下さなければならない女性は本当に大変だ。2017/03/06

鳩羽

13
障害を理由に中絶はできない(堕胎罪にあたる)けれど、実際に出生前診断の確定診断がつけば中絶する人が多く、それも適切なカウンセリングや支援の準備があることを知れば考え方は変わるかもしれないのにそれもなく、なおかつ「知らせる必要はない」といわれてきたのに驚いた。産む主体が何より蔑ろにされているのが衝撃的で、そういう状態であれば、子供を作るか作らないかというレベルの問いにまで、後退しなければならないのは当然だろうという気がした。2018/08/14

アセロラ

10
メリット、デメリットを理解せずに出生前診断を受けるのは危険です。診断がさらに普及することで、障害のある子を出産した母親や子ども本人が生きにくくなる危惧もあります。親から子に伝わる遺伝性疾患は1万3000種類も見つかっていて、誰でも遺伝性疾患の保因者だといえます。特別なことではありません。現時点で妊娠や出産に関係のない人も、生命倫理や色々な点から、勉強になると思います。新書とは思えないほど内容盛りだくさんで、時間をかけて読みました。2019/08/21

こぺたろう

8
出生前診断について、ネットばかりでなく、もう少し信頼できる情報を得たいと思って読了。大変ためになりました。以前、旧優生保護法に関する報道を見た時、酷い話だと思っていました。しかし。本書を通じて、中絶を規定する母子保護法の前身が旧優生保護法と知り、雷に撃たれた気持ちになりました。報道を見ていた時は、正直なところ自分の事として捉えていなかっただけかもしれません。色々と深く出生前診断について考えさせられました。私はどちらかと言うと、受けて欲しくないかなあ。2018/09/03

mawaji

7
知りたくない情報、知らないほうがよかった情報も詳らかにされてしまうテクノロジーの進歩の中で、NIPTまでいかなくても「高度な検査機器の使用が日常化した現代では、もはや産婦人科にかかること自体が出生前診断そのものになっていること」にそろそろ気づくべきであるという著者の言葉は特に印象深く思われました。遺伝学は知れば知るほど誰でも何らかの遺伝性疾患の保因者だとわかることになるので、われわれは「知る」ことへの覚悟をもってこのような精度の高い無侵襲性の非確定的検査への議論を重ね続けねばならないのだろうと思いました。2015/04/22

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