ちくま新書<br> ルポ 母子家庭

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ちくま新書
ルポ 母子家庭

  • 著者名:小林美希【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2015/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480068293

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内容説明

「母子家庭」、そこには、この社会の矛盾が最も明確に表れる。離婚を決意させる夫からのDV。頼りにできる人もいないたった一人の子育て。子どもを理由に面接に通らず、やむなくキャバクラで働く。派遣とバイトと子育てのギリギリの生活。期待できない養育費。こういった状況で彼女たちはいかに生きているのか。そこで育つ子どもの運命はどうなるのか。母と子の厳しい現実に寄り添いながら、生きる希望を見つけるための渾身のルポ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナミのママ

57
自由には責任がつきもの、と考えていました。高校中退、若くしての妊娠、もっといえば男を選択する眼。前半に出てくる「女性が一番華やかでいる20代前半を、育児と生活と先の不安で暮らす」女性たちにも同じ思いを持っていました。でも貧困の連鎖、そもそも選ぶ選択肢が少ない。そしてやり直したいと思ったときに、その手段や制度、環境、援助機関や援助する人がいないという現状はおかしいと思います。母子家庭の貧困はそのまま貧困老人になる、とわかっているのに、なぜその部分から手をつけないのか、と疑問に思います。2015/07/05

コウメ

52
母子家庭の内容だが様々シングルマザーの家庭環境が書かれており、どの人もそれぞれ過酷な生活状況を送っていることが非常にわかる。どの母親もやはり経済困難であり、子供のためにお金を稼ぐがために過度な労働やストレスがかかり、「うつ病、ノイローゼ、虐待」を起こすことが非常に厳しい現実。母親1人で子供を1人育てるのがいかに大変な思いで育てているのかが痛感した。/「配偶者といると本当に愛していると実感する」という質問に妊娠期では夫婦では74%出産後妻側は子供0歳で45%1歳で36%2歳で34%と減少。理由として2020/10/26

のんすけ

32
ルポが続きましたが、今回は母子家庭。特に母子家庭をめぐる経済的な問題にスポットを当ててます。最近よく児童扶養手当をもっと出せばという意見を見ますが私は賛成できません。必ずしも子どものためには使われないから。親の遊興費や娯楽費に消えることも多い。それより本著もいう就労支援、そして保育体制、家事援助などで現物支給。お金で支援ではなくお金を得られる体制を整えて生活そのものを支援すること。介護離職0も元は同じ。母子家庭に優しい社会は介護者にも優しくなれるはず。負けないでほしい。図書館本。2015/11/01

ゆう。

29
著者のルポは、とても丁寧な取材に基づくルポが多いと思います。本著でも、母子家庭の抱える問題が貧困・社会的孤立問題の根深さと同時に、母子家庭に至るまでのDVや家庭生活の崩壊の過程をリアルに取材されていました。これを読むと母子家庭の経済的不利や社会的差別は、個人のせいではなく、社会的に考えていかなくれはならない問題なのだと考えさえられます。そして、母子家庭が社会のなかで引け目もなく、普通に生活していくためには、社会の目そのものを変えていくと同時にワーク・ライフ・バランスを目指す必要性を考えることができました。2015/05/23

よこしま

25
子どもの貧困の大元は親の貧困であり、なので母子家庭の現況を読んでみました。◆貧困シリーズも数冊目ですが、一番追い詰められたという感じでは、この作品の親御さんではと。◆読んでいる中で、たいていの方がお子さんを迎えにいったりなどで、職が自然と限られてしまう。故に経済事情で苦しむ。また、父親からのDVや家庭を放棄する姿は許されないことで。個人主義が大きくなりすぎです。殆どの女性が精神的疾患になるのも当然。◆サポートもかなり広がってきており、子ども食堂などの施設は一人だけではないという場所でありがたいです。2016/05/21

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