内容説明
レースの本命と目されていた名馬が失踪し、調教師の死体が発見された。犯人は事件当夜に厩舎情報をさぐりにきた男なのか?錯綜した情報のなかから絶対的な事実のみを取りだし、推理を重ねていくシャーロック・ホームズの手法が光る「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」。ホームズが最初に手がけ、探偵業のきっかけとなった「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」、発表時イギリスに一大センセーションを巻き起こした、宿敵モリアーティー教授登場の「最後の事件」など、11の逸品を収録するシリーズ第2短編集。/収録作=「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」「黄色い顔」「株式仲買店員」「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」「マズグレーヴ家の儀式書」「ライゲートの大地主」「背の曲がった男」「寄留患者」「ギリシア語通訳」「海軍条約事件」「最後の事件」「解題=戸川安宣」「解説=小池滋」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
98
<マンスリー・ホームズ> バラエティーに富んだ短編集。ホームズの探偵業を始めるきっかけになった事件「<グロリア・スコット>号の悲劇」、弟をしてこの兄、マイクロソフトの登場「ギリシャ語通訳」、そしてライヘンバッハの滝でのモリアーティーとの対決が描かれる「最後(?)の事件」 個人的に好みの一編は「黄色い顔」 ホームズのズッコケぶりと微笑ましい結末がドロドロした結末が割合に多い冒険譚の中では、一粒の清涼剤だった。「ノーベリー」とワトソンが囁く姿を想像すると楽しい。2019/04/12
naoっぴ
66
冒険の方の短編集と比べると動きは少なめではあるけれど、こちらもホームズの推理のキレ味を楽しめる短編集になっている。かの有名なモリアーティ教授が登場する短編もラストに収録されているので楽しみに読んだけれどそちらは肩透かし。天才的犯罪者と語られるのみで、ホームズとの最後の対決はつかみ合いともみ合い、なんともあっけない幕切れだった。なぜここまで有名になったんだろうか…?「シルヴァーブレーズ号の失踪」「マズグレーヴ家の儀式書」が楽しかった。ホームズシリーズ、今後も読んでいこう。2021/03/19
しゅてふぁん
59
ホームズシリーズ第2短編集、11編。‘犯罪界のナポレオン’モリアーティ教授の登場。ホームズの宿敵として有名な割に、登場も退場も意外とあっさりしていてびっくり。そういえばマイリンゲンまで滝を見に行ったなぁ。「寄留患者」と「ギリシア語通訳」がお気に入り。2019/05/23
坂城 弥生
41
刊行順と作品内の時系列は別みたい(汗)2021/11/22
stobe1904
34
【シャーロック・ホームズ短編集第二弾】ホームズの兄マイクロフトやモリアーティ教授、探偵業のきっかけとなる事件など趣向を凝らした作品が多いのが特徴。コナン・ドイル自身、シリーズを終えたかったようで、前作と比べると小ぶりな作品が多いが、それでもミステリとして読み応えは十分な作品ばかり。娯楽が少なかった19世紀の人々の熱狂的な要請に応えて、シリーズを継続したのも納得の出来栄え。★★★★☆2023/08/20