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内容説明
未曾有の敗戦、そして占領という危機の時代に対峙したその<大いなる精神>とはいかなるものであったのだろうか? 占領という名の追撃戦――日本人の精神的武装解除に対しては孤独な抵抗を貫き、自らの<つとめ>として靖国神社御親拝、沖縄行幸を果たせなかったことを憂慮され続けた昭和天皇。「雨が続いているが、稲の方はどうか」。最期の病床にありがらも国民に呈する慈愛に満ちた大御心……。御誕生から軍部の独走、大東亜戦争へ、そして一転して復興・高度成長という激動の<昭和の御代>を辿りつつ、常に国民と共にあられた昭和天皇の足跡を明らかにしていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
8
昭和という時代を天皇を通して映し出した労作。年少時の乃木将軍を院長として始まった学習院初等科。さらに帝王学を磨くために設立された東宮御学問所。天皇に倫理を御進講された杉浦重剛や歴史を担当した白鳥庫吉など、当時の専門家であり第一人者たちがいかに天皇の教育に心血を注いでいたかがよく分かる。天皇が海産動物学という研究テーマを選ばれたのも、他の一般の研究者たちの選びそうなテーマと競合しないことを考えてのご配慮もあったそうだ。戦時松岡洋右を厳しく批判しているのに対し、東條に対する天皇の評価が意外にも高いことに驚く。2014/07/11
おらひらお
0
1999年初版。読みやすい文体で一気に読ませる内容ですが、著者が昭和天皇を敬愛しているために、一方向からの視点になりがちなような気がします。確かに教示を受けるところも多いのですが、この本だけ読むのはいかがなものかと感じました。2010/07/05