未来からのホットライン

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未来からのホットライン

  • ISBN:9784488663063

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内容説明

スコットランドの寒村の古城で暮らすノーベル賞物理学者。この老科学者が地下の実験室で開発したのは、60秒過去の自分へ、6文字までのメッセージを送るプログラムだった。孫たちとともに実験を続けるうち、彼らは届いたメッセージを60秒後に送信しないという選択をしたが、何も起こらなかった。だがメッセージは手元に残っている。では送信者は誰なのか?そして、この宇宙はいったいどうやってできあがっているのか?ハードSFの巨星が緻密に描き上げる“時間間通信”の姿。大胆不敵な時間SF!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

絹恵

41
公共の電波を使って愛を叫ぶよりも、もっと壮大に世界を巻き込んだラブストーリーでした。失われた時の後に続くのは改変された未来であり並行世界ではないところが、選択の可能性を否定し、一途さを肯定しているのだと思いました。角を曲がるか曲がらないかで起こるすれ違い、伝えるか伝えないかで変わる未来があるから、小さな衝撃と解離のなかで何度でも出逢える。2015/05/23

いちろく

32
『STEINS;GATE』に影響を与えたとか(確かに、と思われる箇所があちらこちらに)、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』のサブタイトルに選出されているとか(新劇場版の前3作品で言われていた可能性が、より示唆された印象)、興味本位先行で手にした作品。未来から過去への情報の送信、という内容に関して、タウ波理論に直列宇宙や並行宇宙の概念など、コレでもかと独特な世界観の提示もあり、読み切ったと言うのが本音。結局の所、過去改変とは?という事を強く意識させられた内容だった。2020/10/05

Yuichiro Komiya

18
ある科学者が、少し前の過去にショートメッセージを送れるマシンを開発する。では、メッセージを受け取った後にそのメッセージを送らなかったらどうなるか?実験の結果から、この宇宙の、想像を絶する仕組みが解明されていく…イーガンの作品で未来の日記を見た後どうしてもそれと同じことをしてしまうというのがあったが、何となくその理由が理解できた気になった。日々の人生の悩みなんか吹っ飛ばしてくれるような、この本を読んだことで未来が変わるような、こんな体験が出来るからSFは辞められない。2017/03/04

チョモ

14
再読。今も色褪せない内容に驚き。片田舎のラボに届いた定かな様で定かでない"未来からのメッセージ"。実験と考証を繰り返して、未知の時空構造を掴んで行く主人公達の活躍は正にセンスオブワンダー。単純なタイムマシン物にせず、一捻り加えたアイデアが実に著者らしい。再構成を繰り返す世界での主人公とヒロインの関係をアクセントに、後半の物語は急展開を見せる。ホーガン作品に共通するこの駆け足感、詰め込み感が快いと思ってしまうのはファンの贔屓目でしょうか。アイデア好し、テンポ好し、雰囲気好しの快作。あと、ネコも居ますヨ。2014/10/20

ゆき

12
★★★☆☆:タイムマシンそのものよりも、タイムパラドクスという現象を理論的に突き詰めていく前半は少し読みづらかったが、後半はアクシデントの連続でハラハラさせられた。そして科学者や政治家達がタイムマシンをいかに有効に利用していくかを論じ合い、単なるエンタテイメントで終わらせていないところはさすがホーガン。数々の伏線がきれいに収束し、ほんわかとしたラストに繋がるのもよかった。2015/04/26

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