現代思想 2015年1月臨時増刊号 ピケティ 『21世紀の資本』を読む -格差と貧困の新理論

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現代思想 2015年1月臨時増刊号 ピケティ 『21世紀の資本』を読む -格差と貧困の新理論

  • ISBN:9784791712892

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内容説明

フランスの若手経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』が大きな注目を集めている。
経済成長が必然的に格差と不平等を拡大させることを、膨大な過去のデータにより実証的に明らかにした同書は、
700頁を超える専門書にもかかわらず、フランス語版、英語版合わせて60万部を超える売上を記録し、
同時に激しい論争を生んでいる。
そこで本特集では、12月9日にいよいよ日本語版が刊行される同書をいち早く読解・検討することで、
その意義と可能性に深く迫りたい。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

26
ピケティ:言いたいのは、総資産の平均収益率はゼロにならないこと(26頁)。家産資本主義に戻る途上(50頁)。富の収益率と経済成長率を比較するとき、課税後の富の収益が重要(61頁)。浜矩子:安倍政権は国民から日本という国家を取り戻したがっているのではないか(66頁)。国民の安保ではなく国家の安保というのはどうなのか。竹信三恵子:世界が一斉に累進的世界的資本税の採用の必要性(70頁)。現状は格差なき多数の貧困化(71頁)。格差社会は上の人が下の現実を無視、上の都合のいい解釈を普及させる(75頁)。阻止を。2015/03/26

masabi

14
トマ・ピケティ『21世紀の資本』の解説、批判を洋の東西を問わず収録している。著作自体は経済格差は拡大し続けていることを20ヵ国、200年にわたるデータにより証明したこと、その対策としてグローバル富裕税の導入を提唱していることが中核となっている。2014/12/30

乱読家 護る会支持!

6
ピケティの経済学を、いろんな方々が評論してる本。ざっくりとピケティの功績を考えると。今まで格差について実感していても、政治家や学者の言っている事は専門的すぎて、言いたい事を言えなかった人たち、格差に対して複雑な感情を抱いていた人たちを勇気づけたこと。格差に対しての是正策を明示する事で、それらの人たちに可能性を示した事。さて、ピケティの提案が今の政治家が受け入れるのは、到底不可能でしょう。なのでピケティ派と言われるリベラルでもマルクス主義でもない新たな左寄りの政党ができるのかなあ?( ̄▽ ̄)2015/02/08

Francis

5
ピケティ「21世紀の資本」について様々に論じた「現代思想」の増刊。トマ・ピケティ本人のインタビューや、ポール・クルーグマン、諸富徹氏の文章が面白い。逆にマルクス派のディビット・ハーヴェイらの文章は全然ダメ。特に長原豊の文章は全く支離滅裂で読むに堪えず、この増刊全体の読後感が悪いものになった。マルクス派であればこんな酷い文章でも載せてしまうほど現代思想という雑誌は劣化しているのか?2015/06/02

bittersweet symphony

5
冒頭1/3がピケティと「21世紀の資本」自体について語るもの。2/3はピケティと「21世紀の資本」にかこつけて、筆者自身の思惑を述べる、あるいは自身の専門分野からのピケティ批判的な文章が続くが、批判に関してもポイントが概ねピケティが敢えて議論を回避したのが明確なものか、「21世紀の資本」中で言及してスタンスを明確にしているものばかり。個人的にはピケティが膨大な統計情報をこの切り口で扱っているのにはどういうテクニカルな思惑があって、それが既存経済学の議論の中でどういう風に異質か、についての解説が欲しい。2015/01/08

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