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内容説明
この子が生まれたら
私の世界は変わる
■瓦礫の中、ひとり空を見上げる少女の身体に小さな命が宿る。今日マチ子が描く、震災のあとを生きるということ。
■震災で父をなくし、母の行方も分からず、瓦礫の山となった街で生きる少女・ユキ。大きなお屋敷の主人にひきとられ、実子の百合子と共に娘のように可愛がられるが、やがてユキの妊娠が発覚し――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RYOyan
14
自分の存在価値は誰が決める!?本当に独りになった時、繋がりを求める祈るような想いが、やがて誰かに思わぬカタチで届く。この世界は理不尽に満ちていて、破壊と創造を繰り返していくのだろう。そして、いつの時代も女たちが産み出しているのだ。2017/02/19
akihiko810/アカウント移行中
12
古本コミック。関東大震災で孤児となってしまった「ユキ」は、「マリア」の名を与えられ大豪邸に引き取られる。なぜかマリアは妊娠しーー。美しいペットとして拾われた少女・マリア、人形として生きる妻・ナオミ、父の望み通りに整形を繰り返す娘・百合子、後に発見され屋敷の女中となるマリアの母が暮らす、「日本」という廃墟の中の屋敷の物語。 6/10点。 全体的に陰惨で暗くキモい。結局はマリアの創造妊娠だったわけだが、父は特に驚くわけでもなく、同衾して性行為にふけっていたのだろうか。今日マチ子のきれいな絵なので不気味さは(続2020/04/26
gelatin
12
★★★ あ〜しんどかった。やはり一筋縄では行かない今日マチ子。マリア、ナオミ、百合、とくれば連想するのはキリスト教で、処女懐胎そのものがモチーフ。主人公マリアだもんな。ラストはキリスト教的ではないけれど、その幸福の儚さがせつない。読み終わって表紙を見直すと、とても愛しく、やはり胸が痛む。マリアを子供に戻してあげたい反面、我々には想像し得ない何か尊いものを産み落として欲しかった気もするのだ。2015/04/19
くり坊
11
とってもコワイ漫画(・・;) 今日マチ子、こんな可愛い絵で、どうしてこうシュールで不気味なお話を描くのか。そこが、今日マチ子の持ち味と言えばそうなのでしょうが。2015/05/04
コムギ先輩
9
★★★★ 今日マチ子さんの作品ってなんとなく、風のようにふわっとしているのに芯がぶれてないところが好きなんだけど、この作品はふわっとしてなかった。心にずっしり響く作品でした。2015/04/26