内容説明
人類は今や絶頂期にある。だが、「完全」ではない。技術文明の発展速度にくらべ、人間の叡智は常にそれに追いつくことができず、ますます制御不可能になっている。このままでは、人類の限界が必ずくる――。「チャーリイを殺す」。世界各地の大学で奇妙な予告があいつぎ、しかも現実のものとなっていた。このヴァージニア大学でも、優秀な学生であるチャーリイが、研究中に高圧電流に感電してしまった。予告通り、彼は殺されたのだ! これは、極度に巨大化・複雑化したコンピュータ社会を密かに狙う新人類の出現なのか? 文明の最先端をよりどころとし、彼らは人類にとってかわるのだろうか? 小松左京ライブラリによる詳細な解説を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
59
「チャーリイを殺す」その言葉通り殺されたチャーリーという学生。多発する予告された殺人を巡ってのSFミステリである。基本的なコンセプトは『幼年期の終わり』やディックの「ゴールデンマン」半村良の『黄金伝説』等と通底するものがあるが、そっちに収められているのが概念的なのに対し本書のそれは割と即物的な気がする。読了後に感じる寂寥感もベクトルが逆を向いてるし。むしろ本書が凄いのは50年近く前の作品にも関わらず、現在のネットやハッキングといった物を完全に先取りしている点。作家の想像力に現実が追いつくって凄いなあ。2021/06/03
おか
52
昭和52年(1977年)発行。この当時 私は 星新一 筒井康隆 そして小松左京 SF三人組を夢中になって読んでいた。未来のことだけど 結構無責任に読んで 読み流していた様に思う。子育てに髪振り乱して 取り組んでいたから (笑) 久しぶりに読んで 小松さーん すごーいですねー 物語の時代の21世紀になってますけど 小松さん 貴方の未来予想 なんか大分近づいている様な気がします。そして 当時よりずーっと文明そして人間の怖さにも気がつく様になっているので 注意深く耳を傾けなくてはいけない言葉が溢れています^_^2017/08/19
さとさとし
4
小松左京のSFミステリー。 人類って完璧じゃないよねーとかを議論している頭でっかちな学生グループがある日同時に犯行予告の夢を見る。「お前のグループの1人、チャーリーを1週間以内に殺す。」、学生たちは右往左往。警察たちの力も借りて、チャーリーを守ろうとするが・・・てな話。 星新一とか小松左京とか久々に読むと、文章の読みやすさに安心する。1977年のからみた2000年頃の話だが、インターネットなどの技術先取りもしてあり古くない。ちょっと○○の○っぽいとこもありニヤリ。2020/09/26
jupiter68
2
サスペンス、犯人探しなど推理小説的要素がたくさん入っている。最終的にはタイトルの意味に近くなっていくが、ちょっと時代とずれてしまっているか。今読むと古さを感じないわけにはいかない。2018/09/11
洪七公
1
読了1983/08/11
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