内容説明
あなたは彼らにどんな判決を下しますか? 戦慄の犯罪法廷ノンフィクション!
子供を含む7人を抹殺した稀代のシリアルキラーから、魂をも凌辱する連続レイプ魔、女の性が引き起こしたSM刺殺事件まで、陰惨な事件の法廷で明かされた、聞く耳を疑う証言の数々――そこに希望はあるのか?
近年、人々の「体感治安」はますます悪化している。しかし、頻繁に起きる凶悪事件・異常犯罪は、発生当初こそマスコミを賑わすものの、時と共に風化し、その全容が解明されるまで報じられない事件も少なくない。著者は、そうした事件を追って全国各地で傍聴取材を敢行、被告や証人たちの驚くべき言動を記録し続けた……。
『週刊ポスト』の好評連載を収録。今後、裁判員制度の対象となる殺人や傷害致死などの過去の重大事案を中心とした全48事件、戦慄の連続傍聴記。
この作品は、分冊版の以下の内容が全て含まれます。
「絶望裁判1 ~自殺サイト・快楽殺人・死体マニア~」
「絶望裁判2 ~SMプレイ・女通り魔・騒音おばさん~」
「絶望裁判3 ~連続レイプ・実娘強姦・強制わいせつ犯~」
「絶望裁判4 ~拉致・リンチ・虐待~」
「絶望裁判5 ~監禁・偽装・ストーカー~」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
17
「人が苦しむ姿を見るのがたまらなかった」自殺サイトを通じて知り合った 男女3人を殺害した男、「振り向いてくれないので殺した」デリヘル嬢を殺し約1か月、遺体と共に過ごした男、「裁判長!すご~く反省しております・・・ひとつ、よろしく」女性職員への猥褻行為をした大学総長は最終陳述で、そう言った・・・凶悪な事件の裁判で、犯人たちは、どのような態度で、どんな言葉を語ったか・・・平成に起こった凶悪事件&異常犯罪を傍聴した記録。2016/08/10
まいこ
8
事件直後の週刊誌報道ではなかったようなことや続報も。ペッパーランチ事件って、店長じゃない方の犯人は知的な発達が不十分だったというが、それでも事前に睡眠導入剤やスタンガンや「膣内収縮剤」を用意する段取りを組む知恵って何だ?北九州の事件の松永、「詐欺はサイコウのギジュツ」2015/10/03
seichan
4
最近の犯罪が多いので、「あ~、あったあった」と記憶をつつかれる感じ。逆に言えば悲惨な事件があってもどう裁かれたかまでみんな注目していないし、出所したあと加害者が社会でどう生きていくかとか被害者がどう生き延びていくかとかまで、意識もしていないよね……。残虐犯罪から児童虐待、結婚詐欺や冤罪まで、時代を映す鏡としての「犯罪カタログ」。 2015/08/19
澤水月
4
新潮45名作犯罪ルポ叢書「殺ったのはお前だ」等に参加していた方なので09年刊だが入手。傍聴記48件も入り各編大変に短い。監禁王子とかVシネ女優SM誤刺殺など「あったあった」な事件オンパレード。これをとっかかりに各事件調べにいい。北九州連続監禁についてだけは大変頁が割かれ、新潮で担当されたのかな。豊田正義氏のルポ本は女性中心視点だったがこちらは松永の不可解なユーモラスさが活写されていて不気味。見る人によって事件の様相て随分変わる…岸和田餓死寸前は義母の描写が「虐待の家」と全く違い不遜な感じ。改めて人間、深い2013/05/30
さめ
3
ひたすらに辛い。北九州の例の事件は何度読んでも、事件の上っ面をなぞっただけの文でも気分が悪くなってしまう。詳細よりも概要を多く載せている印象のある本書ですが、それでも読んでいて消耗してしまいますね…。平成の真ん中頃にもこんなに凶悪な事件が起こっているとは。私たちの日常とかけ離れたところにあるものでは決してなくて 、地続きの場所で起こった出来事なのだ ─という著者の言葉が刺さりました。2018/01/07