内容説明
文学から趣味まで、宮城谷昌光の素顔
二十代の頃、歴史小説を侮蔑していた――。いかにして現代を代表する歴史作家への道が拓けたのか。創作への思いが見えるエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
著者の生き様を学ぶ庵さん
31
宮城谷昌光先生が随筆と思はれしが、さにあらず。確かに太公望の楽屋噺、セミプロ並みの腕を持たれし写真ネタもまみゆれど、こは評論なり。斯る評論に現はれし宮城谷昌光先生の師は、世に知られし立原正秋氏・司馬遼太郎氏・白川静博士・海音寺潮五郎先生のみならず、小林秀雄氏・藤沢周平氏も入らむ。表題なる「他者が他者であること」は、「無常といふこと」に代表さるる小林流評論の匂ひあり。あなめづらしや、新しき発見なり。2015/12/19
Tomoichi
18
作家の書くエッセイはその人の素の姿が垣間見れて好きなのですが、この本でも特に「日本カメラ」に連載されたエッセイがカメラという小説とは関係のない主題にも関わらず宮城谷さんの人となりが感じられて面白かった。宮城谷ファンの方は是非。2018/02/03
nocturne2015
10
久しぶりの同氏の作品、短文集。氏が春秋戦国時代を書かなくなってから久しく、同じくして私も読まなくなった。何となく作風が一定分かってしまったからだとおもうが、楽毅、子産等、読みたい名士名将を題材にした本を同じく一定読み終えたところが大きい。そういう点では、それら名士名将を読みやすく本にしてくれた氏は凄いと思う。今回読んだ短文集は、そのエピソードと、趣味のカメラ等その他。久しくぶりに触れた文体は妙に懐かしく変わっておらず、まだ読んでいない作品も読んでみたいと思わせる一品であった。2017/12/13
吟遊
10
歴史小説を書き続けた宮城谷さんのエッセイ集。1990-2005年の文章が、いずれも短文だが、テーマごとにまとめられている。アマチュア・カメラマンとして写真に凝っていたらしく、エッセイも詳しく、小説家にも、そういう趣味があって人生に安定が生まれるのか、と勝手に考えたり。2016/10/14
作楽
9
カメラの記述がすごかった。趣味人だったんだなぁ。引越しの話が好きだったな。荀子は私はそんなに好きじゃない・・・、とまた思ったw でも、引き込まれる文章です。2015/10/01