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内容説明
二〇一四年春、北関東で当時一七歳の少年による強盗殺人事件が起きた。少年は一一歳から学校に通えず、一家で各所を転々としながらホームレス生活をつづける「居所不明児童」だった…。虐待、貧困、家庭崩壊などが原因で、ある日突然行方がわからなくなる子どもたち。半世紀のあいだに、累計二万四〇〇〇人もの小中学生が学校や地域から「消えて」いる。なぜ子どもの所在が不明になるのか。どうして行政は無策なのか。子どもを救う有効な手立てはあるのか。社会問題化しつつある「消えた子ども」の実態を追う驚愕のレポート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
61
日本国籍を有する7歳から14歳、住民票を残したまま一年以上所在が確認できない子どもを「一年以上居所不明者」と呼ぶとのこと、初めて知りました。なぜ子どもの所在が不明になるのだろう?と疑問から手に取った本です。読んでいくうちに、出てくるすさまじい現実。親自身がホームレスであったり、子供を閉じ込めたまま放置する、住民票がないどころか、出生届すら出さない。…現実社会でも小説の世界でも、虐待・虐待された子どもがいることが不思議ではなくなっている時代、驚かなくなっている自分。かなり衝撃的なルポでした。2015/06/03
佐島楓
57
書類上の手続きだけで「いないこと」にされてしまう子どもたち。チャンスがいくらかありながらも、結局おとなたちから救いの手が差し伸べられなかった子どもたち。実態を知るにつれ、彼らの深い絶望を感じ取った。児童相談所が機能していないのはどうしたことか、と前から思っていたけれど、現状の一端を聞くことができ、まだ何も知らないよりはよほどよかったと思えた。2015/06/22
1.3manen
42
家庭教師をつけるなどという富裕な子どもばかりいるわけではない。本書の冒頭からビンボーな子どもの辛い叙述に心痛む。親の勝手というのが子どもには罪がないのだから一番いただけない。居所不明者:小中学生のうち、居場所不明、就学確認できない子ども(047頁)の実態とは。第1章の母親は、どれだけ身勝手かと読者は憤りを隠せないだろう。野宿生活では盗みで赤子を育てるしかないのだから。この蛮行が先進国日本で起きているのである。亮太が義務教育の学校にすら通えていないのは違憲。2015/06/18
のんすけ
38
かつて児童福祉の現場に少しだけいたことがある。居所不明児童はすでに問題になっていたため、本著にある数件の事件の詳細も知っていたが、その背景まで詳しく知らなかった。知ろうとしなかった自分はなんて浅はかだったのだろう。ニュースで虐待や少年犯罪が起きると流れるその出自にのみ注目せず、そこに至るまでに何があったのか、またその両親の生い立ちにまで思いを馳せるのは無駄ではないと感じる。育てられたようにしか育てられない。普通の生活がいかに貴重かしみじみ思う。決して学校だけの責任ではない。大人が社会が考えるべきことと思う2015/10/26
kawa
37
居所不明児童とは、学齢年齢に達していて義務教育学校に入学していない者(不登校者は入学済みなので対象外)を言う。文科省調査を単純集計すると1961年から2014年の間に24000人にのぼると言う。ただし、著者によると制度上の問題から把握漏れもあるのではないかと推測する。本書はこの問題について、実例や行政の窓口に出向き調査、ルポの労作。縦割り行政や行政窓口の過重負担の実態がそこまでかと驚くが、親たちの無責任ぶりも印象的。常識では考えられない行動があり、親世代の道徳観・教育の問題が背景にあることは間違いない。2026/05/30




