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内容説明
「未来が明るい、なんて、だれが決めたのでしょう。」「若さはすばらしい、なんてだれが決めたのでしょう。」―。「行きたくない場所は、学校」そして、家に帰っても「ふすまのような扉がついている勉強部屋に逃げ込む」毎日。「自分には価値がなく、生きていてもしかたがないのでは」という暗い気持ちで日々を送る中学生の「わたし」。不安、後悔、劣等感、秘密、孤独、嫉妬、自己嫌悪―。小手鞠るいが描く直球思春期小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
itoko♪
67
主人公の「わたし」は中学一年生。自分に自信が持てず、劣等感と自己嫌悪の塊。ストーリーは多感な中学生の3年間を通して描かれ、主人公の悩みや孤独感、心の叫びが痛いくらいに伝わってくる。自分の中学生時代とダブるシーンもあって、胸が苦しくなった。自分に自信が持てず苦しんでいる時『自己嫌悪を感じているのは自分だけじゃない。』誰かにこう言ってもらえたらどんなにラクになっただろう。あとがきで、作者の自伝であり、同じ悩みを抱えている「わたし」へのメッセージだと知りました。正に現在思春期真っ盛りの、娘へプレゼントしたい。2015/05/21
tokotoko
47
この本は、まさに直球!な1冊でした。デカくなっていく体の中で、心はこんな風に動いていた・・・のかもしれない・・・と、不安とか焦りとか、何かうまくいかない感みたいな気持ちが、9つのお話にのって、すぐ近くまでやって来ます。デカイ人達も、きっと、いろんな思いを抱えているんだろう。何をしたらいいか、今の自分でいいのかすらわからないけれど、デカイ人達が相手だからって、そんなに背伸びはしなくていいのかもなぁ、って思えてきました。2017/04/23
itica
36
思春期真っただ中の主人公は劣等感と孤独感を持ち、家にも学校にも居場所を見つけられずにいる。中学時代の私も同じようなことを感じていた。部活など楽しいこともあったけれど、日記には毎日不満ばかりを綴っていた。今思えば取るに足らないようなことで悩んでいた気がするが、その時は学校と家庭が自分の世界のすべてだった。出来ることならあの頃の私に会ってアドバイスしてあげたい。小手鞠さんもそんな思いを抱いてこの本を書かれたのだろう。中学生向き。 2015/04/20
Madoka.@書店員復帰を目指し中!
27
小手鞠るいの恋愛小説以外の作品を読むのは初めてかもしれない。女子中学生の思春期をテーマにした作品だが、思春期の女子中学生の誰もが抱えるであろう悩みや鬱憤などが上手く描かれており、非常にリアリティーの高い作品となっている。2015/05/09
びすけっと
22
2015年3月刊。遠征先図書館出会い本。一章ひとりずつの登場かなと思いましたが、通してひとりの中学生女子で描かれた作品でした。見返しに書かれている「未来は明るい」「若さはすばらしい」は当事者にとってはとんでもないお節介な言葉です。きっと。年齢を経てから気づく言葉ではないかと思います。強がりが仇になったり、戸惑いが大きな傷になったり。家族とも同級生ともしっくりいかない日々を過ごす主人公、読むこと、書くことで自分を見いだします。そう、何かしら自分が打ち込めるものが見つかるはず。一途にGO!2015/07/31