内容説明
狐面に着流し姿の「狐さん」は、奈良公園で会った春菜に恋心を抱くが、春菜のメイド七瀬から「無職男性との交際など認めません!」と罵倒され、就活を決意。幼馴染みの烏からレクチャーを受ける。一方、以前、狐さんを振った女子大生ビンバは、その理由が勘違いだったと知り、またしても狐さんへの想いをふくらませていく。二人の女性の間で恋路は如何に? メフィスト賞作『恋都(こと)の狐さん』シリーズ完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
63
三部作完結。実は一冊目も二冊目も辛口感想しか書いておりません。なのに手に取ったのは、前作が中途半端で終わりが気になって!期待しましたが読んだ結果はやはり残念です。それぞれのキャラの描き分けや気持ちの表現など1冊目が一番良かったですし今回はページ配分を間違えただろう、と思うほどに前半が無駄に長く後半は本当に収束するの?と心配になるほど。結局ラストの展開も想像の域を出ず片方はガッツリ端折られ大変残念でした。狐さんは最初のテイストのまま飄々としていた方が良かった気がします。いやむしろ違うラストで一冊めだけで…2015/05/24
真理そら
51
1作目のヒロイン・ビンバ(鹿島)にも春が来た。ビンバも揚羽も狐さんよりいい男に出会えてよかったね。お嬢様・春菜と狐さんもこのままで済むとは思えない。このシリーズは恋物語のような雰囲気ではあるけれど、狐さんが社会復帰していく物語のように見えてきた。ビンバのおかげで手術をする気になり、春菜のおかげで社会で働く気になる。まあ。女性の愛は偉大だということで…2020/02/02
hirune
48
シリーズものの3作目を読んでしまった^^;春菜は幼少からの七瀬さんのガードが完璧すぎて 男性に免疫がないので 狐さんみたいな優しいけど実用に向かないダメンズに引っかかるんじゃないかしら?前途はとっても多難な気がする。。ビンバといい、このダメ男はどうしてこんなにモテるのか…母性本能を直撃するのかしら?古都 奈良はいろいろな伝統行事があるんですね、見てみたいな☆2018/07/09
ぶんこ
44
3部作ととは知らずに、1巻に続いて最終巻のこちらを読んでしまいました。 奈良の風物を知る事が出来たのは良かったですが、物語としてはイマイチで、春菜さんのお嬢様ぶり、七瀬さんの過干渉に、小さい頃のお姫様物語のようで、苦笑。 狐さんの非常識ぶりにも苦笑。 主人公達が苦笑をよぶキャラで、その周りで手助けし、振り回されている善人達が可哀相。 2015/06/29
杏子
34
読み進めるにつれて、狐さんのダメっぷりにどんどん拒否感が拭えなくなる。前作では、春菜ちゃんとの新しい恋に好感ももちかけたが、この巻では就職についての甘い考えや対応の不味さに、嫌悪感が増すばかり。最後のビンバさんのバレンタインの一件でもうダメ。一応ハッピーエンドになだれこんだようだけど、読者を置いてけぼりにした、無理やりな展開は興趣をそぐばかり。奈良の風物や伝統行事に興味を抱いたシリーズだったけれど、その魅力が半減したかも。何か残念な作品になってしまった。2015/09/13