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内容説明
三万の秀吉軍と相対した五千名の元春軍は、にわかに川の橋板をはずし、船を陸にあげ始めた。「なんと元春め、自ら退路を断つ気か。このような敵と戦っては、味方の被害は計り知れぬ」秀吉はたまらず姫路へと兵を引き揚げた。―父・元就を補佐して中国を平定、弟の小早川隆景とともに「毛利の両川」と称賛された吉川元春。天下取りの愚を避け、毛利の領国を守り抜いた賢明なる武将の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
38
元就の息子で三本の矢の内の一人。単独で取り上げられた本は珍しいのだけど、よりによってこのシリーズだとは・・・2014/11/14
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
31
小早川隆景を書いた小説はいくらかあるのに、吉川元春を主人公にした物語はこの本くらいではなかろうか?。奥付を見ると1997年8月刊。やはり大河ドラマ『毛利元就』放映中の時期である。今や『孤独のグルメ』松重豊が元春役だった。不美人で有名な元春夫人を演じたのは、故・川谷拓三の娘である仁科ふきだった。その為か、この小説の元春夫人の名前は蕗女である。割と有名な上に無敗の名将なのに今ひとつ人気に乏しいのが広島人としては残念である。現代の講談本というべきPHP文庫の歴史小説だが今後も珍しい人物を扱ってほしい。2014/09/08
BIN
6
お家のために不細工な嫁をもらったことで有名な吉川元春。が、本作では元春が惚れて嫁にもらった感じで、きっと顔はいまいちなんだけど愛嬌がありそうな感じでした。それも側室を持たずにこの嫁さんだけを愛し、ついでに戦は負けなし民に優しい政治をし、自分より有能な弟を立てるという完璧超人ぷり。さらに謀略はきらいだし、降った後もやっぱり秀吉が嫌いだというところはもう清清しい。2012/10/05
ゆうへい
5
あんまり題材として取り上げられていなかったので、意外でした。読んでみると、吉川元春は武闘派として名高いイメージがありますが、実は知性にも長けているところもあります。 吉川元春と彼を取り巻く身内や側近、直臣とのやり取りも描かれていて、非常に興味深く読めました。
hiyu
4
あの有名な三本の矢の1人でもあり、強い絆で毛利宗家を守り抜いた吉川元春。勇猛果敢であることよりも、慈愛のようにもみえるその細やかな気遣いのほうがより響いた。読んでよかったな。2022/07/01