内容説明
明るかった夫から、笑顔が減った? そう思ったのもつかの間、日に日にできないことが増え、転げるように症状は悪化した。藁にもすがる病院巡り、一人で抱え込んだ介護地獄――愛と罵倒と悔恨の日々を綴った、壮絶な夫婦間介護手記。巻末には相談窓口や介護のコツをまとめたアドバイス集「もしもあのとき、知っていれば」収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
内藤喜八
20
著者は、小説家渡辺淳一氏の秘書をしていた優れた女性、経営者でバリバリの活躍をしていた夫が、五十代前半で若年性認知症になって、その介護に、苦しみ奮闘する話。人間、いつどんなことが起きるかわからない、諦めずたゆまずと、言う、書くのは簡単、実際、自分が、そうなったことを勧化るとき、その思い、行動など大変参考になると思う。回復の見込みがない状況で、どう精神的に、自分を保っていくか、それも大事だろう。著者は、ほんとうにご苦労されていると拝察する。人間、どこでどんな苦労をするかわからない。2022/03/04
リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん
17
若年性認知症の夫を持った妻の辛さ、悲しさが伝わってきます。治らない病気を抱えて、自分達だけでやっていくのは不可能です。しかし、自分の配偶者がそうなってしまう事を想像すると、目の前に有る現実が受け入れられないかもしれません。2015/02/01
aloha0307
9
明るかった夫から笑顔がどんどん減ってゆく それから日に日にできないことが増え、転げるように症状は悪化してゆく。藁にもすがる病院巡り(医師の対応がひどすぎる)、一人で抱え込んだ介護地獄の日々を綴った、まさに壮絶な夫婦間介護手記である。 「配偶者がこの病気を発して直ぐに、それまでの夫婦関係が如実に顕在化する」...の著述にドッキリ。 一緒に立ち向かうかorそこから逃げてしまうか...いいも悪いもまさに己にそのまま返ってくるのである...2015/07/05
ヨハネス
6
80代以上ともなれば、「来てしまったか」とある程度あきらめもつくけれど、それまで人一倍バリバリ働いていた人が認知症を患う、その壮絶な辛さは想像を超えるものでした。たまたま、この著者の職業があの渡辺淳一の事務方だったので、渡辺淳一の見方、アドバイスの的確さに非常に感心しました。「親友を大切にしなさい」と言われたとのこと、この「親友」とは自分自身のことなのだそうです。物盗られ妄想、幻覚への対処法とか、頼れる相談先リストなど、具体的なことがたくさん!困っている人は絶対に役に立ちます。2015/03/03
yamakujira
5
若年性認知症を発症した夫の介護に奮闘する妻の凄絶な記録。怪しい療法にすがったり、介護詐欺にひっかかったり、医師や介護職員を拒んだり、悪戦苦闘は夫を愛するゆえだと理解するけれど、ここまで苦労した一因が情報不足だというのは切ないね。ただ、介護側の苦悩の一方で、介護される側、つまり夫の心情が伝わらない、と言うか伝えられない現実が怖い。診断された時点で自分の将来像を認識できない状態という病状って、なんと残酷なんだろう。自分だったら死なせてほしいし、尊厳死や安楽死を受容してほしいな。 (★★☆☆☆)2017/07/23




