内容説明
最後の夏、世界にしがみつくように、恋をした。
画家への夢を諦めてフリーター生活を送っていた宏は、突然余命三ヶ月の宣告を受ける。残された時間を知るまでは、この夏もいつものように、ただやり過ごすだけの季節になると思っていた。それが人生最期の夏に変わってしまった時、立ちはだかるように現れた女子高生の真衣。
「私が生きてるんだから生きろ」
宏は、容赦なくありのままの感情をぶつけてくる真衣に翻弄され、戸惑いながらも、生と死の間に強烈な光を見る……。
もっとも純粋で痛切なラブストーリー。
漫画家・手塚治虫氏が亡くなる3週間前まで病床で書き続けていた日記を原案とし、
カリスマ的な人気を誇るロックバンド「RADWIMPS」のヴォーカル&ギター野田洋次郎が主演を務めた映画の原作小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
45
RADWIMPSの野田さんを思いながら読んだ。宏の役はぴったりだと思う。学校のプールで300匹の金魚が泳ぐシーンは夏らしくて、感情の激しさがキレイに出ている良い場面。「死」を普通の人は意識しない。でも、自分は普通ではないのだなぁという切ない気持ちが良く書かれている。映画が楽しみ。2015/06/08
Seiichi Sakurai
41
不器用で、愛想も無い、感情を表に出せない、そんな主人公が余命宣告を受けてから自暴自棄になったり心情の変化など・・・そんな重い話。 があっさりと読める不思議な作品でした。なんだか複雑な余韻が残りました。2015/08/14
keith
31
画家になる夢が破れ、何事にも斜に構え死んだように生きている宏。その宏が病で余命3か月と宣告される。生きたいのか、死にたいのか自分でもよく分からない。絶望と孤独、そして生への執着の中で、女子高生真衣と出会う。真衣に翻弄され反発し合いながらも残された時間をあることに費やす決心をする。帯にラブストーリーとあるがちょっと違うかな。けど感情をむき出しにしてぶつかりあう二人の間には確かに繋がる何かがあった。2015/07/23
里愛乍
28
余命宣告を受けた青年が、最期の夏に何を思いどのように過ごしたかを淡々と描かれていた映画。そこには作為的な感動や作り手側からのメッセージ的なものは何もなくて(少なくとも私はそう思った)ただ、これを観てあなたはどう感じた?どう思う?ずっとそう問われているような気がしていた。そんな映画をまるっと文字に起こし、あの言葉はこんな気持ちで言っていたのかというような補足的な役割もする小説本。観たひと読んだひとの生き様が、そのままこの作品の感じ方につながるんじゃないか。そんな風に思えた。2015/06/14
しーふぉ
20
『僕ね、生きてますよ、今』・・映画ではあえて説明しなかった部分も見え面白かった。野田さんが威風堂々を口ずさむシーンとトイレに絵を描くシーンをまた映画で見たい。ピクニック聴きながらラストまた読むか。2016/04/29