内容説明
愚直な想いか? したたかな罠か? それとも粋な駆け引きか? 人妻の虜となったバルザック、美しき野獣に溺れたコクトー、そして谷崎、百けんらが、略奪愛、ダブル不倫、官能の倒錯愛など恋の渦中で巧みに駆使したレトリックを分析、世界を震撼させた大恋愛と名作誕生の背景を探る。芸術の女神、男装の麗人、運命の女など続々登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
30
読書会紹介本。12人の文豪や芸術家の恋文を分析する作家研究本。正に変態性癖大博覧会。笑いが止まらない。ド直球のエロスから純愛風な名言まで様々だが、情熱的に書いている割に略奪や二股が多かった。恋が成就した時に一緒に読むために書いた内田百閒の微笑ましい片思い日記も、結婚後に無情に見捨てる展開を知っていると空々しい。「恥ずかしく見苦しい三〇男の愁嘆場」「ちゃんちゃらおかしい」など、著者の冷静で容赦のないツッコミが最高に面白かった。芸術家たちの類い稀な観察眼と審美眼、表現力は流石。『九つの聖なる門』は神ワード。2019/01/18
カキ@persicape
13
書簡集すきー遠い昔のお偉いさんに親しみ覚えるー古今東西おもしろそーどんな繊細な愛情に溢れた筆使いなのかなーと読み始めたら、ん?おかしいぞこの本?とざわざわ(笑)冒頭からパンチが強く濃すぎて目を疑った( ゚д゚)エロいんだよ、こんな表紙で(笑)不貞CPが多くて1番ピュアで普通が内田百間です。それら多情な恋文に対し「ちゃんちゃらおかしい」とか「たとえ投函されてても結果ははかばかしい」とか冷静にツッコミが入るからコントラストが笑える。テクニック学んじゃいけないが、読み物として面白い(笑)雑誌連載だそうで納得。2018/10/21
びっぐすとん
11
図書館本。初読作家さん。読メレビュー見て。主に西洋文豪の恋文の紹介。日本からは谷崎と内田百間が。谷崎は変態エロジジイだと思っていたが、世界の文豪はもっと凄かった。甘い囁きは蜂蜜の1000倍甘くて虫歯どころか歯がなくなりそう。あけすけな性の告白は日本人なら私信でもこれは書けない、こんな手紙もらったら血圧が200行く。頼むから男も女も死ぬ前に「終活」で手紙は処分してくれと叫びたい。モラルって何?不倫が横行してる!ある意味、内田百間が清廉な人に見える不思議。昔読んだ池内紀『恋文物語』も同じシリーズだったのかな?2018/10/24
あっきー
4
✴3 いけませーん!恋愛書簡術なんて真面目そうなタイトルをつけて乃木坂女子高生が読んだらどうするんですか、だいたいラブレターに尻を鞭で打ってやりたいとか書いてみようなんて人はいないでしょ、特にこのアポリネールと次のエリュアール、最後のアベラールは悪質、「薔薇の葉っぱをする」なんてもってのほかです2018/05/06
lily
1
こんな読むだけで雌蕊に雫が落ち込むような書簡を頂いちゃったら恋の炎が燃え盛るよりほかはないに決まってるじゃない。日本人には厳しい願望かな。2019/02/03