いつかぼくが帰る場所

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いつかぼくが帰る場所

  • 著者名:ピーター・ヘラー【著】/堀川志野舞【訳】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 早川書房(2015/05発売)
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  • ポイント 720pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152095299

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内容説明

メーデー、メーデー、こちらセスナ6333A、寂しくてたまらない……謎の疫病により、妻や友人知人のすべてを失った男ヒッグ。一変した世界で暮らす彼の仲間は、愛犬ジャスパーと、ガンマニアの隣人バングリーだけだ。しかしヒッグは、数年前に無線から聞こえてきた声が忘れられない。もしかしてどこかに元の世界が残っているのではないか? ある日ついに思い立った彼は、セスナ機で外の世界に飛び立つが……。人類がほぼ壊滅した後の世界の、絶望と祈りを描く傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

185
舞台は終末のパンデミックで荒廃したアメリカ。今、コロナ禍の中、読むタイミングが良いのか悪いのか。崩壊した文明、涸れ果ててく自然を、ヒッグ達と愛犬が、希望や時には残虐に生き抜く様を、詩的かつ静かな感じで表現している。読んでて、荒廃した静かすぎる自然や大地も目に浮かび上がり、読んでるうちに寝オチしてしまう。睡眠導入剤の入った物語。何度も寝オチして、時間をかけての読了。ただ、終末だとしても、この世に自分ひとりではないと教えてもらった気がする。たとえ本当にひとりになったとしてもね。 2020/11/06

雪うさぎ

84
人間の愚かさに絶望し、幾つもの喪失を重ねたとしても、この世界を生きていく。あの日聴こえてきた声の先に希望があることを信じて、たとえ途中で翼折れ二度と戻れなくなろうとも、飛び立てずにはいられない。孤独に包まれた夜、空を見上げ星を繋いで、自分だけの星座を作る。星が一回りしていつもの場所に帰って来るように、亡くなったものたちの思い出も、私の元へと還ってくる。星と私は見えないハーネスで繋がっている。きっと私を希望へと導いてくれるだろう。The Dog Stars。親しみを込め、その星座に私が愛した犬の名をつける。2017/05/19

絹恵

63
崩壊の音を聞いても、人は何度でも希望の声に耳をすませます。それは最大の弱点であり、無二の美点でもあります。このよるべない世界で、星と歩いて、今日から明日へ向かうことは大事なものを置いていくことなのかもしれません。まださよならに追いつけなくても、いつか「ただいま」も「おかえりなさい」も失くしてしまっても、そして生きることは忘れることだとしても、それでもきみはぼくが帰る場所なら、星のように燃え尽きてしまってもかまわない。2016/01/31

サトシ@朝練ファイト

39
詩的で良品。個人的には半分くらいの長さでもいいのかと思う。2015/06/14

藤月はな(灯れ松明の火)

30
パンデミックでほとんどの人が死に絶えた世界。閉じられた空間でガンマニアの隣人と老犬、ジャスパーと暮らしていた主人公は誰か生き残っている人はいないのかとセスナ6333Aに乗って外の世界へ出るが・・・・。例え、生きている人が僅かでも人は生き残るためには自分のことにしか、必死になるしかない。そんな殺伐とした真理を描きながらもリリカル且つ繊細な寂しさと希望によって彩られた風景が広がっていました。主人公と恋人とその恋人の父の必要性の悪辣さとそれでも芽生えた信頼感や愛情には安部公房の『砂の女』を思い出しました。2015/05/10

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