内容説明
東日本大震災の集中復興期終了を目前に,復興から取り残されている人びとがいる.「いつまで被災者なのか」と弱者を切り捨てるなら,社会はその負債を将来にわたって抱え込む――そして誰にとっても人ごとではない.くらしと生業の再生に必要なものは,巨大プロジェクトではない.災害多発国日本のあやうさを現場から問う.
目次
目 次
はじめに──被災は今も続いている
第1章 プレハブ仮設住宅で
「ミスター仮設住宅」の孤軍奮闘/ 「見守り」は続けられているが……/ボランティア活動の意義/フェイスブックで情報を発信/可視化される被災地の問題/被災者を苦しめる仮設住宅/傾斜・老朽化/入居者を脅かすカビ/カビ増殖の原因/健康状態の悪化
第2章 みなし仮設で
みなし仮設親睦会「若松会」/みなし仮設とは/みなし仮設の功罪/劣悪住宅に泣き寝入り/将来の家賃負担/貧困固定化の危惧
第3章 在宅被災者という存在
暗闇の町で/支援対象外の被災者/食料を届けた石巻市/弁当配給に困憊した町内会長/家屋修繕の遅れ/前例のないアセスメント活動/閉じられたICTデータベース/第三ステージの支援は/住宅修繕調査から見えてきた現実
第4章 被災者とは誰なのか
不公平な扱い/罹災証明をめぐる問題/無力だった災害対策基本法/硬直的だった運用/住宅応急修理の実態/支援対象の線引き/移動弱者支援/集える場所・うたっこライブ/医療費免除再開の実態/後期高齢者もぬか喜び/生活保護打ち切り/菅原茂・気仙沼市長に聞く
第5章 子どもたち──学校と遊び場は取り戻せたか
バスケットボール教室で/子どもに寄り添う/失われた放課後/一〇〇〇人以上がスクールバス通学/間借り授業の苦労/ボランティアが給食支援/生まれた学校間連携/広がる学校間格差/変わる支援の内容/学校は地域復興のシンボル/新しい子どもの居場所
第6章 生業再建の希望と困難
二次災害のダメージ/冠水被害の農地/いちご農家の試練/ボランティアが再開を後押し/現地再開と高設栽培と/ボランティアの存在/浜の在宅被災者からの手紙/養殖業の再開/事業継続の壁/自営業者の多重債務/機能しないガイドライン/グループ補助金めぐり明暗/一目置かれた伝統産業/事業断念した中小企業/資格取得から一歩を踏み出す
第7章 復興事業の不条理
災害危険区域設定/自治会の解散、消えていく集落/ 「住民合意」を尊重した地域も/雄勝町の誤算/高台移転の代償/議論を仕切る行政/そして人口流出は起きた/住民が戻らない「可住地域」/産業系ゾーンに指定された住まい/住民を悩ます道路計画/遅れる住まいの再建/復興予算の見直しが急務
あとがき
主な参考文献
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
501
カイ
twinsun
玻璃
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