文春文庫<br> 二つの山河

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文春文庫
二つの山河

  • 著者名:中村彰彦
  • 価格 ¥509(本体¥463)
  • 文藝春秋(2015/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167567033

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内容説明

【第111回直木賞受賞作】

かれらも祖国のために戦ったのだから――。
大正初め、徳島のドイツ人俘虜収容所で例のない寛容な処遇がなされ、日本人市民と俘虜との交歓が実現した。真のサムライと讃えられた所長・松江豊寿の生涯を通して、国境を越える友愛を描いた「二つの山河」ほか、二篇収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

86
3つの短編集。表題の「二つの山河」は、青島での戦い後、捕虜となったドイツ人が収容されて人道的な対応をした「板東俘虜収容所」所長の松江豊寿の生涯の話。他、幕末の大政奉還で右往左往する小さな結城藩と、幕末の天領に住む下士であった甘利源治のお話。小説を楽しんだと言うよりも史料を堪能したと言った方が適切やもしれない。会津藩への著者の愛情を感じ、かつ薄い本ではあったが、読み応えのある作品だった。2014/06/30

hit4papa

71
大正時代の板東ドイツ人俘虜収容所所長 松江豊寿の半生を描いた作品です。豊寿は、知名度は高くはありませんが、本作品を読むと、この時代にあってヒューマニズムのなんたるかを理解していた人物のようです。ドイツ人俘虜を人道的に扱い、ドイツ人と現地日本人との、技術伝承やスポーツを通じた交流をも認めていた豊寿。著者は、この歴史的な事実に加え、松江の精神の源を、彼の出自から見出そうと試みます。本作品は、知的好奇心を刺激してくれます。ただ、小説を読んでいるというより、文献を調べているような印象を持ったことは否めません。2020/04/30

遥かなる想い

68
いまいち入り込めなかった。ドイツ人捕虜から慕われた「松江」という人物を書き込めていない、ような気がした。2010/05/07

TATA

55
鳴門のドイツ人俘虜収容所で模範的な管理を行った松江豊寿の生涯を語る表題作とその他2篇。表題作はよく取り上げられる題材で映画にもなっていたので粗方の内容は知っていたが、あらためて第九の上演や地域との交流を見て、温かいストーリーを認識する。ただ、短編だからか登場人物の心情などがあまり深く書き込まれていないのが残念でした。直木賞受賞作。2019/11/17

こばまり

50
昼休み、職場近くのカフェで表題作を泣きながら読了。あぁ恥ずかしい。後半2作は、例外や弊害もあるが、原則として思うままに生きられる現代は素晴らしいと、柄にもなく思ってしまった。2024/04/08

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