- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
養老孟司氏(東京大学名誉教授)絶賛!……「中華思想」に中国自身がいかに縛られてきたか。その切ない歴史と現代中国の考え方がよくわかる。国際的な常識を決して守らず、力によって現状を変更しようとする中国の振る舞いは、もはや日本人にとってお馴染みにすらなっている。その一方で、そうした中国の「異常性」の本質がどこに由来しているのか、ということを、自信をもって答えられる人は多くないだろう。その本質を理解するためには、「中華秩序」によって生み出された中華帝国自身の盛衰と、周辺国家を含む極東の興亡史を知る必要がある、と著者はいう。始皇帝の時代から習近平率いる現代中国まで、2000年の中華帝国史を一気に概観したとき、そこからどのような「歴史の法則」がみえてくるのか。その答えは本書に譲りたいが、一つだけいうならば、「中華秩序」の構築とは見栄の問題ではなく、その構築に失敗した国や皇帝はあっという間に滅ぼされる、という残酷な事実がそこにある、ということだ。それがわかれば現代中国がなぜ、異常なまでに海洋進出に固執するか、という理由もわかるはずである。そうした「中華秩序」に対して、ある国は徹底的に従属し、ある国は反発し、ある国は距離を置いた。その「歴史の法則」がいまでも変わらないことに、あらためて読者は驚くはずだ。ならば、膨張を続ける中国に日本はどう立ち向かうべきか。山本七平賞作家が満を持して放つ、語られざる斬新な極東興亡史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
活字スキー
17
中国出身ながら現在は日本に帰化した著者による中華思想の解説はとても解り易く説得力がある。改めて、あの国とまともな交渉をするのは困難であると再確認。やや“アメリカの正義(=パックスアメリカーナ)”を高評価しすぎなきらいはあるが、日本が直面する現実を学ぶ上での良書だと感じた。せめて韓国がもっと冷静に合理的な外交をしてくれれば、東アジアの平和と繁栄に関して日本にも負けないくらいの大きな役割を果たせるだろうに……。歴史に学ぶ事は必要だが、過去に縛られてはいけないと思う。2015/09/10
だろん
10
まさに日本人必読の書!習近平が天子となる新中華秩序が成就したあかつき「日本は他の朝貢国の立場にあらず。大陸を蹂躙した欧米はゆるしても日本だけは絶対許さない」…そうだろうと思う。困った時代の「親・誠・恵・容」政策(それでも上から目線的W)を見てシナの良心などと期待してはいけないことが良く判ります。欧米先進国首脳も日本国民も「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」を肝に銘じて、特に日本国民は任期後のポスト安倍政権を今から心してみすえていかないと本当にアブナイ、アブナイ(´・ω・`)2015/06/12
忍者
7
本のタイトルはイマイチ好きにはなれないのですが、帯に養老孟司先生の推薦文があったので購入しました。中華思想について、歴代中国王朝の外政と照らし合わせながらの解説が解りやすいと感じました。歴史問題も冊封体制に置き換えてみると理解できそうな気がしました。2015/08/16
ぷれば
7
今、まさに危機的状況の分岐点にあるのでは!?との懸念から、急き立てられるように読了。隣の超大国の歴史をから、中華秩序の本質を知り、「歴史の法則」を理解すること…直面しつつある危機は、起こってからでは遅い。安保は、生活以前に「生存」そのものなんだと痛感する。○学者や、メディアには焦燥感ばかりか、絶望すらおぼえる。2015/06/10
K2
4
高校1年生の時に大学受験科目に地理Bを選択する事にしていたため、高校2年生時の世界史の授業時間はいつも睡眠時間でした。当然、成績は酷くて、2学期は10段階評価で『2』(--;) そんな歴史に対する意識の低さから、自分自身損をしているのではと最近痛切に感じるようになりました。 本書は、中国の立ち振舞いを理解するための良書ですね。 歴史を知る事は、重要ですね。2015/05/03