内容説明
本書は早指しの雄、大平武洋五段が「持ち時間の短い将棋で勝つ極意」を書いたものです。持ち時間を1分も消費しないで勝つという伝説を持つ大平武洋五段。大平五段は早指しの将棋で最も重要なのは、迷いを断ち切ることであり、候補手を「捨てる」技術だと言っています。将棋では指せる手の90%以上が悪手、断崖絶壁を歩くようなものだといいますが、30秒、あるいは10秒というあまりにも短い時間の中で、どうすれば悪手を切り捨て、迷わずに勝利という頂にたどり着くことができるでしょうか?
大平五段は「基準を持つこと」の大切さを説いています。揺るぎない「基準」が茫洋とした局面での羅針盤となるのです。本書では、その「基準」を極意と呼び、「終盤・攻撃編」「終盤・守備編」「中盤編」「序盤編」の4つに分類して、合計25個が体系的にまとめられています。知らないと指せない終盤のテクニックや、序盤や中盤における方針まで、早指しのコツを分かりやすく解説。ネット将棋全盛のこの時代において、必須のスキル満載の一冊となっています。本書で大平五段直伝の早指しの極意をマスターして、日々の対局に生かしてください。
「本書を取り入れて実戦を続ければ、大平レベルまでは実力の上昇が見込め、それはそんなに遠くないと思う。あとは自信を持って指してほしい」(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
17
コンセプトは斬新。だが企画倒れの感は否めない。「ネット将棋攻略!早指しの極意」と表題でうそぶいる。だがいざページを捲っていくと、どこまでいこうが凡百の手筋集ないしセオリー紹介書の域を出ることはない。例えば「駒がぶつかったら取る手から考える」という節があるが、それは既存書でこれまで幾度となく紹介され手垢に塗れたネタだ。…と駄目だししてしまったが…前半の終盤手筋集はハイクオリティーを担保している。これだけでも読む価値ありだ。大平五段(当時)の解説は柔和で解り易い。敢えて奇をてらうことはないのではなかろうか?2018/02/05
キタガワ
9
初心者向けの手筋集のような感じ。ネット将棋の早指し対策という意味では物足りない内容だった。読んで損した。2019/05/03
文章で飯を食う
5
ちょっと難し過ぎた。特にはじめの方はわざとかと思うほど。くじけず読み進めると役に立ちそうなこともいくつか。もう少し勉強してから、再挑戦しようかな。2018/05/01
ま
2
プロは相手の傾向も含めて研究・対策するが、アマは不特定多数を相手にするのでそもそも取るべき対策が違う。プロの真似をするなというのは参考になる。ただアマが早指しでどう戦うべきなのかという本書のテーマについてはあまり紙面が割かれていない気がする。この点に特化した棋書はないものか。2019/08/03
yasuhitoakita
2
タイトルはイロモノぽいけど、「実戦的に上手く勝ち切るにはどうすればよいか?」に焦点をあてた好著。中盤、終盤編はとても楽しめた。序盤編がちょっと簡単すぎたかなあ…というイメージ。2015/05/20