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内容説明
密教は「わからない」といわれることが多い。しかし、密教を「アート」というフィルターをとおして眺めると、あまり難しく考えずに、すっきりと本質を理解できる。日本の密教の開祖である空海も、アートを用いてその本質を知らしめる手法を重んじたという。この手法は、曼荼羅という密教アートの基本へと通じており、曼荼羅自体が密教寺院における本尊の役割も担っている。三〇年もの間、仏画・曼荼羅の研究と作画にたずさわってきた著者自筆の図版も収録、平明な語り口を通じて密教を理解する一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nizimasu
7
入門書かと思ったらかなりハードルの高い本でした。とはいえこの本でもせつめいにあるように「密教」というのは、だれにでもわかるものでなくその修行の中で、宇宙の原理である大日如来との一体化をめざすというもので、曼荼羅や仏像と言ったものもそのための装置のひとつであるという部分は、言われてみると確かにそうだ。その曼荼羅が持つ世界観は何の経典によるものなのかと言った教義的な部分も解説しつつ身体修養としての加持祈祷や仏像の役割、空海の空間や寺院配置なども曼荼羅の世界観の再現であると言った指摘もあり興味深い。難しいけど…2015/05/14
Tenouji
6
ん~、体が疲れてるせいもあるのか、内容が入ってこない。基礎知識無く読むのが少々辛い。説明と著者の感情が頻繁に切り替わるのも、読みずらい。デジタルとの比較など、視点は面白いんだけどね。2015/10/18
へんかんへん
2
切り口が面白い従因至果、従果向因欲、触、愛、慢、「金剛」、書籍『デジタル思考とアナログ思考』虚空蔵菩薩求聞持法、請雨法、弘法大師行状絵詞五種煩悩2016/02/03
パット長月
2
久々に途中放棄。理由のひとつは、アート入門といいながら、参照画像が少なすぎること。文中で説明されている絵画について、ほとんど参照画像がないので、まるで楽しくない。本を片手にインターネットで画像を検索できる時代とはいえ、余りにも不親切であろう。ひとつは著者が幼少よりこの世界に馴染みすぎているせいか、素人がどういうところがわからないのかわかっておられないふうなこと。まだ一階にいる人間が、二階、三階の説明を聞いている気分になった。この辺りは著者よりも、著者に対して適切なアドバイスができない出版社の責任であろう。2015/05/28
くまきん
1
例えば目の前にリンゴが置いてあったとして、それを言葉で表わすのには「一個の赤いリンゴ」で事足りると普通の人は考える。しかし、それでその対象の全ての事を正確に表現しているか?と言うと、それははなはだ不正かなものでは無いだろうか。密教を理解するのは本当に難しい。しかし、曼荼羅をはじめとする密教アートは、その密教が説く真理を言葉だけに頼らず、人間の五感全てに対して訴えかける意図があるのでは無いだろうか。そう言う風に理解したのだけれど、どうでしょう?(笑)2017/10/06