内容説明
ネット上でのなりすましとカードの不正利用の被害に遭った肇。犯人探しの末に辿り着いたのは隣人の美女・安部響子だった。彼女に誘われ、ハッカー集団ラスクの一員として活動を始める肇。トラブルを放置する悪質企業を攻撃して謝罪と賠償を行わせる、世直しともいえる活動は世間の支持を集めるが、警察の捜査の手も迫り……。引きこもり美女と変わり者の青年が大金を狙う、スリリングな快作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポップノア♪@読書超絶停滞中
70
因果応報のハッキングを生業とする響子。その彼女に見込まれ、肇はハッカー集団「ラスク」に参加する。ラスクは悪徳企業を標的とする為一定の支持を得ますが、当然の如く警察からは狙われます。一芸に秀でるも、コミュニケーションは苦手な女性を男性の視点から描く物語は幾つかありますが、その中でも上位の面白さ。二人のもどかしい関係性もニヤニヤしちゃいます。未だにガラケーでITには疎い私でも充分楽しめましたし、まんまと騙されました。続編も既に2冊購入済み。シリーズ化して沢山出してくれると非常に嬉しいです。「主に私が」(笑)2020/11/05
ポップノア♪@読書超絶停滞中
69
【再読】最近スランプなので好みの本を読み返す。やっぱり面白いとページが進むなぁ。個人情報売買組織、リスト型プライベートネットワーク(VPN)、強日本語変換システム等「?」なワードがいっぱいだけど、ネットは危険だということはひしひしと感じます。響子率いるハクティビスト集団「ラスク」に徐々に迫り来る警察の魔の手(?)。スリリングな攻防の中に時折描かれる響子と肇の中学生のような淡い恋愛模様。更にはラスクを支持する高校生、拓人と沙穂梨の今後と楽しみな要素が多く、全てを忘れている私はすぐさま続編も再読するのです。2022/12/06
よっち
39
なりすましとカード不正利用被害に遭った肇が、その犯人探しの末に辿り着いた隣人の引きこもり美人・安部響子からハッカー集団に勧誘されて参加する物語。ストーリーは世間の注目を集め、警察が本格的な捜査開始してからの駆け引きが中心で、参加メンバーが明かされない中で背信者、そして思わせぶりな行動を取る人物もいたりで、追い詰められていく不安を煽る展開、肇が響子や仲間と共に無事逃げ切れるのか、そんな緊張感を間近に感じられる描写が良かったです。初めて読んだ作家さんでしたが、読みやすい文章で他作品も読んでみたいと思いました。2015/01/22
ありす
38
インターネット恐いって思わされた。なりすましにあった肇は自ら調べるうちに隣人の安部響子が犯人と突き止める。その安部響子からハッカー集団"ラスク"にスカウトされ加入。ラスクの目的は正義の味方?ライトな感じでストーリー展開は楽しめた。けど、作者に専門知識があるせいか、知識があまりない私には専門知識の羅列が難しく、その箇所にかかると集中が途切れてしまったのはちょっと残念。【ハッカーシリーズ1作目】2020/10/21
た〜
35
尻切れトンボというか消化不良というか。基本設定に頼りすぎていて物語や人物像がぜんぜん生きていない。高校生二人の存在意義は不明だし敵の親玉は結局何がしたいのか不明で狡猾かと思ったらただの馬鹿だったりとか、特に「川本」のわざとらしさがやたらと鼻についたりとか。2015/01/30
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